(株)秀建 編集部
相場よりも安くなる!?原状回復工事費用をおさえる5つの裏技
テナントの撤退をする際に必ずかかる原状回復工事費用。この費用をおさえることは出来ない…と諦めていませんか?最低限必要な知識をもとに業者と交渉することで、原状回復工事費用をおさえることは可能です。
今回は、原状回復工事の費用をおさえる上でおさえておきたい裏技や交渉ポイントをまとめてご紹介します。原状回復工事を進めていく際、ぜひお役立てください。
コラムのポイント
・業者と交渉することで、原状回復工事費用をおさえることは可能です。
・提示された費用を鵜呑みにするのではなく、可能な限り費用を抑えられるよう、信頼できる業者との費用交渉にチャレンジしてみましょう。
− table of contents −
◼ テナント運営に欠かせない原状回復工事
・契約書に合わせた原状回復工事内容の決定
・原状回復工事の費用相場
◼ 原状回復工事費用をおさえる5つの裏技
・裏技① B工事は査定を徹底して交渉する!
・裏技② 区分によってはB工事からC工事に変更を!
・裏技③ 再使用品を増やして解体工事量の削減を!
・裏技④ C工事は必ず相見積もりを!
・裏技⑤ 究極のコストダウンテクニックはこれ!
◼ 信用できる会社に依頼してコストダウンを
テナント運営に欠かせない原状回復工事
テナント運営をしていく上で欠かせない内装工事。厨房設備やガスの配管、水道管の移動、壁紙の張り替えや床材の張り替え、造り付け家具の設置など、大幅に手を加えた内装を、賃貸契約終了時に借りた時と同じ状態に戻す工事を原状回復工事といいます。
契約書に合わせた原状回復工事内容の決定
原状回復工事はガイドラインによって定められていますが、テナントの使用目的によって消耗レベルは異なります。そのため、テナントが入居する建物が定める運営ルールに合わせて契約書を作成し、その上で原状回復工事内容を決めていく必要があります。
原状回復をめぐるトラブルとガイドライン
https://www.mlit.go.jp/common/000991391.pdf
原状回復工事の費用相場
原状回復工事は、『A工事』『B工事』『C工事』の大きく3つに分けられます。
中でも、空調設備や照明器具などテナント側の希望で変更を加えたり、移設や増設をしたりする『B工事』、新しくテナントに入居した際や内装のリニューアルなど、テナントの資産となる設備に対して工事を行う『C工事』は、テナント運営者が費用を負担する必要があります。
工事区分の契約内容はどうなっているのか、解体後の工事をどこまでやるのか、工事条件・期間はどうか、テナントの業態は何か、などによって費用は大きく異なりますが、C工事の場合、
・10~30坪程度のテナント 坪単価約10~20万円(店舗)
・30坪以上のテナント 坪単価約8~15万円(店舗)
この価格帯が費用相場となります。
ただ、現在は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、原状回復工事の需要が高まっているため、工事業者の争奪戦が起こり費用も高くなってきています。こうなってくると、費用をおさえるのは難しい…と感じるかもしれません。
しかし、最低限必要な知識をもとに業者と交渉することで、原状回復工事費用をおさえることは可能です。提示された費用を鵜呑みにするのではなく、可能な限り費用を抑えられるよう費用交渉にチャレンジしてみましょう。
原状回復工事費用をおさえる5つの裏技
原状回復工事を行う業者しか知らない裏技、原状回復工事を行う業者だからこそお伝えできる裏技を5つご紹介します。
裏技① B工事は査定を徹底して交渉する!
一度査定をしてもらったら、それ以上交渉はできないと思っていませんか?もちろん、度を越した価格交渉は避けたいところですが、見積りの内容によっては交渉をする必要があります。
B工事をする場合、不要な項目をつくって見積り金額を増やしていないか、出してもらった見積りをC工事業者に査定依頼してみましょう。
・各項目の金額がいくらになっているのか
・C工事に移行可能な工事はないか
これらを確認してもらうことで、払わなくてもよい費用をみつけることができます。
査定と交渉によって、『B工事の見積りが1090万円→645万円になった!』という実例もあります。見積りをもらったら、まずは信頼できるプロに確認してもらうようにしましょう。
裏技② 区分によってはB工事からC工事に変更を!
例えば防水工事を施している厨房床の解体を行う場合、シンダーコンクリートの撤去だけC工事として斫り作業(はつり作業・凸凹を整えるため、石やコンクリートの不要部分を削る作業)を行い、保護モルタルを丁寧に残した上で防水工事はB工事として行う、というのは難しく、工事内容そのものに矛盾が生じています。
見積りをしっかり確認することで、工事内容の矛盾を把握することは可能です。矛盾を把握した上で、自信を持ってビル側と交渉することで区分の変更ができるのかどうか、確認してみましょう。
また、注意点として、飲食店の場合は厨房床コンクリートの斫り作業のコストに大きな差が出ることが多くあります。
これはコンクリートの硬さによって斫り作業にかかる時間が左右するためで、柔らかいコンクリートなら3日で終える作業が固いコンクリートだと同量でも2週間かかる、などC工事業者が事前の見立てでは判りにくい工事には、リスク回避のために高額の見積もりが出がちになってしまうからです。 斫り作業そのもののコストを直接的に抑えることはできませんが、工期に余裕を持って見積りを出してもらう、無理なスケジュールを求めない、など条件を調整しておくことで、斫り作業のコストだけでなくトータルコストもおさえることができます。
裏技③ 再使用品を増やして解体工事量の削減を図る!
原状回復工事に取り掛かる前に、まずリサイクル業者2~3社に見積りを依頼し、解体工事量を減らしておきましょう。
現在は新型コロナウイルス感染症の影響により、中古厨房器具などは溢れているため高価格は望めませんが、リサイクルに回すことができます。
食器や机、椅子、畳、木くず、書類などは事業系一般廃棄物として自治体に処分してもらいましょう。徹底して不用品の分別をすることで、安価な民間リサイクル施設に引き取ってもらうこともできます。
浦安市の事業系ごみのガイドライン
http://www.city.urayasu.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/000/390/gaidorainn.pdf
また、分電盤や空調機、屋外の室外機やダクトなどはビル側と交渉してみましょう。次のテナントが利用するだろうと想定されるものを無償提供する、という形で提案することで、解体範囲を減らすことができます。自分たちだけでなく、次のテナントも初期投資をおさえることができるため、お互いにとって大きなメリットとなります。
裏技④ C工事は必ず相見積もりを!
C工事をする場合、当然ではありますが必ず相見積もりを取るようにしましょう。信頼できる業者を2〜3社探すことが大切です。
一般的に、ビル側から紹介された業者は高額なことが多くコストがかかります。かといって、極端に安い費用で対応する業者も注意が必要です。安さに惹かれて、産業廃棄物の不法投棄や不法処理をする業者に工事を依頼してしまった…となると後で大きなトラブルになります。素性のはっきりとした信頼できる業者選びをすることも、テナント運営者としての責任です。
裏技⑤ 究極のコストダウンテクニックはこれ!
そもそも、原状回復工事が無くなれば費用はかかりません。居抜き物件として撤退できれば良いのです。実際に、自ら後継テナントを見つけて、ビル側の承諾を得てそのまま引き継ぐことができた例はありますし、トイレや水回り、天井はそのまま残して欲しいという声は多々あります。
無理だ…と諦める前に、一度、C工事業者や不動産業者や知人を頼って後継のテナント探しを依頼してみる、など何かしらアクションを起こしてみましょう。大きなコストダウンが可能となりますよ。
信用できる会社に依頼してコストダウンを!
まとめ:
原状回復工事費用は下げられない、価格交渉はできない、と思い込んでいませんか?信頼できる業者に依頼、交渉することで、相場よりも安くすることは可能です。諦めてしまう前に、一度問い合わせた上で交渉してみましょう。
株式会社 秀建は、内装工事全般だけでなく、外構から躯体までの建築工事や電気・空調換気・給排水・温浴などの設備工事も熟練プロが対応しています。
施工のプロフェッショナルだからこそ、オーナー様やテナント様のニーズに合わせた原状回復工事を進めていくこともできます。 原状回復工事を検討されているのであれば、工事内容や費用のご相談など、ぜひ一度お問い合わせください。