(株)秀建 編集部
店舗内装工事の前にやるべき基礎知識|流れや期間、注意すべきポイントを解説
この記事では、店舗内装工事の計画や見積もり、施工の前に知っておくべき基礎知識、やるべきことを分かりやすくまとめます。
店舗内装工事にはさまざまな項目が含まれ、デザイン・費用・スケジュール・法令対応など考えるべきことが多いです。
また、店舗の設計や見積もり、施工をどこに相談すべきか迷うケースも多いでしょう。新規開業の場合、物件探しや資金調達、オープン準備なども並行して進めなければいけません。
今回は、店舗内装工事計画に取り組む前に知っておくべき基礎知識、注意点を網羅します。設計事務所や施工会社に店舗内装工事を相談する前に、ぜひチェックしておいてください。
コラムのポイント
- ・店舗内装工事全体の工程やスケジュール感を把握し、開業計画をスムーズに進めましょう。
- ・適正価格の見極め、施工会社の実績など、店舗内装を成功させるためのポイントも解説します。
店舗内装工事とは?
店舗内装工事とは、お店づくりのために必要な工事の総称のことです。
目に見える天井・壁・床の内装仕上げだけでなく、大工・水道・電気・設備など、店舗の内側はすべて内装工事に含まれます。また、業種ごとに必要な機材や什器などの設置も内装工事の一部です。
内装工事は店舗のレイアウトやデザインそのものを左右するため、事業の収益性に大きく影響します。また、デザインだけでなく、費用の調整や各種法令への対応も考えなければならないのが店舗内装工事の難しいポイント。
新規店舗の内装工事は、物件探しや融資相談、オープンのための広告宣伝やスタッフ雇用・教育などと平行して進める必要もあります。新規開業の場合、何から手を付けて良いのか分からず迷う経営者様も多いでしょう。
具体的に店舗内装工事計画を立てる前に、まずは全体の流れとスケジュール感を把握し、やるべきことを1つずつ明確にしておくのが成功のポイントです。
全体のスケジュールを把握しておけば、いつまでに何をやるべきなのか明確になり、スムーズな内装工事とオープンにつながります。
店舗内装工事の流れと期間
まずは、店舗内装工事の大まかな流れと、かかる期間の目安を把握しておきましょう。
それぞれのステップにかかる期間は業種や店舗の規模によっても変動しますが、大まかな期間が分かれば、オープンから逆算してスケジュールを立てることができます。
1:事業計画を立てる(1~2ヶ月)
まずは、出店したいエリアの商圏分析をしてから、店舗コンセプトや売上・規模などを検証して事業計画を立てます。
事業計画を立てなければ、店舗内装計画を進めることはできません。例えば、物件探しを先行した場合、店舗のコンセプトやレイアウトが決まっていないため内装工事の費用が分からないのです。
また、物件の構造や規約によっては、思い描く店舗をつくれない可能性もあります。店舗でつくりたい売上やコンセプトが決まっていないと、次の工程を進められないのです。
こちらのコラムで店舗の事業計画の基本的な考え方を解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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2:物件探し(0~6ヶ月)
事業計画が固まったら、プランを実現できる物件を探します。希望の条件を満たす物件を見つけるまでの期間は業種やエリアによって幅があるため、ある程度の余裕を持っておきましょう。
売上を達成できる広さや立地条件、採算が取れる賃料かどうかなど、経営面のチェックが必要になります。また、電気・水道などの設備容量、建築基準法や消防法などの法令関係をクリアできるかの確認も必要です。
テナントビルなどの物件は、店舗や出入り口の視認性、営業時間や曜日などのルールも確認しましょう。
こちらのコラムで業種ごとの物件探しのポイントを解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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3:基本計画(1~2ヶ月)
事業計画と候補物件がそろったら、設計事務所に相談して基本計画を作成します。
基本計画とはラフプランをもとに、店舗内装工事の大まかな概算費用を把握して、事業の実現性を判断するためのものです。
具体的には、平面図やコラージュ・エスキースなどを作成して、大まかな店舗のデザインやレイアウトを決めていきます。
また、この後の工程や工期などを含めた全体スケジュール、関連行政窓口への事前確認なども基本計画に含まれます。
4:概算費用を把握して融資審査(1~2ヶ月)
基本計画が固まったら、施工会社に相談して概算見積もりを把握します。基本計画を作成した設計事務所が、過去の事例を参考にして設計予算を提示してくれるケースも。
この段階で事業計画・候補物件・内装工事の概算費用がそろうため、融資の審査を進めることができます。
5:基本設計(1~3ヶ月)
融資の審査が通ったら設計事務所と契約を結び、より正確な見積もりを出すための基本設計を進めます。
店舗の間取りや電気・給排水・空調なども含めた詳細な図面を作成し、施工会社で詳細な見積もりをつくる流れとなります。
6:実施設計(1~2ヶ月)
基本設計で内装工事の見積もりが出たら、工事を契約・発注するための実施設計を進めます。基本設計と平行して、見積もり調整と共に実施設計を進めるケースもあります。
予算と見積もりが合わない場合は、2~3回程度プランを調整して契約・発注に至ることが多いです。
ここまで出てきた基本計画・基本設計・実施設計の違いや全体の流れについては、こちらのコラムでも詳しく解説しています。
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基本計画・基本設計と実施設計の違いと流れ|費用や注意点も解説
店舗内装工事のポイント
店舗内装工事を成功させるためには、適正価格を見極めること、実績が豊富な施工会社に相談することの2点がポイントとなります。
それぞれ詳しくチェックしていきましょう。
適正価格の見極め
店舗内装工事の費用は施工会社によって異なるため、高すぎず、安すぎない適正価格を見極めることが重要です。
相場より安い価格を表記する格安業者もいますが、実際に見積もりを取ると追加費用がかかり高くなることが多いです。また、相場より安く内装工事を発注できたとしても、施工ミスや手抜きで完成後に不具合が発覚すれば、大きなリスクになります。
相場より高いのも困りますが、安すぎる価格にもリスクがあるため、適正価格を見極めることが重要になるのです。
適正価格を見極める方法としては、相見積もりや入札で複数の施工会社を比較検討するのが一般的です。ただし、条件を揃えて見積もりを正確に比較するためには、ある程度の期間と費用がかかるため、店舗の規模によっては1社に特命発注したほうが良いケースもあります。
適正価格の見極め方や具体的な方法については、こちらのコラムで解説しています。
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特命と入札、どちらが得?民間工事の場合のメリット・デメリットを比較
実績が豊富な施工会社に相談する
店舗内装工事を成功させるためには、依頼する業種の実績が豊富な施工会社に相談するのが基本です。
店舗内装工事は建築基準法や消防法などの基準をクリアする必要があるため、施工会社の的確なアドバイスや工夫が不可欠です。
例えば、行政窓口への事前相談でプランの変更を指示された場合、実績が豊富な施工会社なら、過去の経験から柔軟な対応ができる可能性が高いです。しかし、実績が少ない施工会社だと、うまく対応できずデザインや間取りに妥協せざるを得なくなったり、コストや工期が増加したりするリスクも考えられます。
実績が豊富な施工会社なら、正確な見積もりやアドバイスなども期待できます。施工会社を選ぶ際は、必ず実績を確認しましょう。
まとめ
店舗内装工事は複数の工程があり考えるべきことも多いため、全体のスケジュールを把握しておくことが大切です。
また、スムーズにコストパフォーマンスが高い内装工事をするためには、過去の実績が豊富な施工会社に相談するのも重要。
私たち秀建は、店舗づくりのプロフェッショナルとして、幅広い業種の施工実績がございます。どのようなコンセプト・業種の店舗づくりもサポートできますので、ぜひお気軽にご相談ください。