今回は中小企業の事業拡大やリニューアルに活用できる、おすすめ補助金制度の概要や採択率を解説します。
国や自治体の補助金制度を上手く活用すると、投資額を抑えてローリスクに事業を拡大することができます。
記事の後半では、採択率をアップするコツも解説しますのでぜひご活用ください。
コラムのポイント
・国や自治体の補助金制度を活用すると、実質的な節税効果が得られます。
・中小企業が活用しやすく、採択率が高い補助金制度を紹介します。
・申請や書類作成のクオリティで補助金の採択率は変化します。
補助金の財源は法人税?
補助金といえば国や自治体がお金を支給する制度のイメージが強いですが、その財源は企業から集めた法人税であることをご存じでしょうか。つまり補助金を活用すると間接的な節税になるということです。
企業向けの補助金は経済産業省・国土交通省や自治体から出ているものがあり、日本の産業の発展などを目的としています。詳しくはこの後ご紹介しますが、ITツール導入・新サービス開発などさまざまな目的に応じた補助金があります。自社に合った補助金をうまく活用すれば、投資額やリスクを抑えながら、経営課題解決・事業拡大ができるかもしれません。
しかし補助金を使ったことがある企業は全体の6%と非常に少ないのが現状です。補助金は審査や手続きのハードルが高いイメージがあり、そもそも存在自体が知られていないことも多いです。
しかし補助額が大きい制度も多いですし、リスクはないので活用しない手はありません。
中小企業におすすめの補助金と採択率
ここでご紹介する補助金の内容は2022年11月時点のものです。
事業再構築補助金
引用元:中小企業庁
コロナ過によってダメージを受けた中小企業等を対象に、事業転換や再生を支援する補助金制度です。
旅館の敷地内にサウナを開業する、小売店をECに転換するなど、さまざまなビジネスアイデアに活用できるのが特徴。
中小企業の補助率は2/3(6000万円超の場合1/2)、補助額は従業員数などで変動し100万円~1.5億円と非常に大きいです。
- 第1回公募 36.06%
- 第2回公募 44.88%
- 第3回公募 44.42%
- 第4回公募 44.78%
- 第5回公募 46.15%
- 第6回公募 49.99%
採択率は回を追うごとに増加しており、第6回公募では50%弱が採択されました。補助額や対象の広さを考えると、積極的に活用したい補助金の一つです。
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ものづくり補助金
引用元:ものづくり補助事業公式ホームページ
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の略であるものづくり補助金は、サービスや新商品の開発、生産工程改善などに活用できる制度です。
対象は製造業などものづくり分野に限らず、サービス業・小売業・農業など幅広い業種が含まれます。
条件をクリアすれば個人事業主でも応募できるのも特徴です。
補助率は1/2~1/3で、補助金額は事業内容によって変わり100~2,000万円です。
一般型の採択率
- 1次 62.5%
- 2次 57.1%
- 3次 38.1%
- 4次 31.2%
- 5次 44.6%
- 6次 47.7%
- 7次 50.4%
- 8次 60.0%
- 9次 62.6%
- 10次 61.2%
- 11次 59.4%
採択率は時期によってばらつきがありますが、直近は60%前後で推移しており狙い目と言えそうです。
IT導入補助金
引用元:IT導入補助金
クラウドシステムやテレワークシステムなど、ITツールの導入を対象とする補助金制度です。
働き方改革や業務効率向上など、中小企業が抱えることが多い課題解決に活用しやすい補助金です。
補助率は2/3~3/4、補助額は最大で450万円となっています。
通常枠A型・B型の合計採択率
- 1次 48.4%
- 2次 48.2%
- 3次 45.2%
- 4次 54.7%
- 5次 61.1%
- 6次 64.9%
通常枠の採択率は徐々に上がってきていて、6次締め切り分は過去最高の64.9%となっています。
補助金採択率を上げる方法
補助金の採択率は、書類作成など申請のクオリティによって大きく左右します。
書類不備を無くす
基本的なポイントですが、申請書類や添付書類の不備を無くすことは大変重要です。
たった一つの記入漏れやミスでも不採択となってしまうため、それまでの苦労が水の泡に・・・。
記入者ご本人が複数回チェックするのはもちろん、他の人に書類を見てもらうのも効果的です。
分かりやすく書類を作る
誰にでも分かりやすい内容で書類を作ることも、採択率を上げる大切なポイントです。
提出後の書類をチェックし審査する人物は、その分野の専門家とは限りません。
専門用語が一つあるだけで内容が伝わらないケースも多いです。自社の事業領域に知見が無いエンドユーザーや取引先に説明するつもりで書類を作りましょう。
根拠のある数値を記入する
補助金事業で採択されるためには、事業計画書に自社の現状や将来の売り上げ予測など根拠のある数値を記入することも重要です。
なぜ補助金が必要なのか?補助金を使うことでどれくらい売り上げが増えるのか?など正確なデータを根拠に説明する必要があります。
事業の優位性をアピールしようとして数値を膨らませると、現実的でないと判断されてしまう可能性が高いです。
現在の財務面を正確に記載するのはもちろん、一つひとつ根拠のある数値を積み上げて、信頼性の高い事業計画を作成しましょう。
加点項目を取る
事業再構築補助金やものづくり補助金などの加点項目を確実に取ることも、採択率を上げるために欠かせないポイントです。
加点項目とは特定の要件を満たすと、審査でプラス評価される要素のことです。通常の審査でギリギリのラインでも、加点項目を取ることで採択されるケースもあります。
事業再構築補助金の加点項目の例をいくつか見てみましょう。
- コロナ禍での売上減少30%以上
- 最低賃金枠申請事業者である
- 経済産業省が行う EBPM の取組への協力
- パートナーシップ構築宣言を行う
- 事業再生を行う
要件を満たしている項目、対応できる項目があれば、書類提出や申請時の手続きで審査に加点され採択率がアップします。比較的対応しやすい加点項目もあるため、必ず内容をチェックしてなるべく多くの加点を取りに行きましょう。
競合調査し自社の強みを見つける
補助金申請に必要な事業計画書を作成する前に、しっかり競合を調査し自社独自の強みを見つけることも大切です。
産業活性化が補助金の目的とはいえ、強みが無く成功の可能性も低い事業は採択されないでしょう。
また同じ業種や地域に似たようなビジネスモデルが無いか、競合に劣っていないかなどの調査も必要です。
こうした競合調査は補助金採択率を上げるためだけでなく、事業成功のために欠かせないポイントでもあります。
専門家に相談する
ここまでご紹介したポイントを押さえるだけでも採択率は変わりますが、より確実性を求めるなら補助金の専門家に相談するのも一つの手です。
例えば申請書類は社内で確認するより、専門家にチェックしてもらった方が漏れや不備を防ぎやすいです。
また自社の強みも自分たちで探すより、社外から第三者目線で見ることで発見できるケースも少なくありません。
そもそもどの補助金が使えるのか?この内容で提出していいのか?など、申請について悩むポイントも相談できます。
補助金によっては複雑な公募要領を理解しなければならないものもあり、通常業務と並行して申請するのは難しいケースが多いです。
身近に補助金申請を相談できる人物が居なければ、外部の申請サポートサービスなども検討してみてください。
まとめ
国・自治体の補助金制度は、中小企業の経営課題解決や事業拡大に役立つものがそろっています。
事業再構築補助金やものづくり補助金など、一千万円単位の大きな額が補助されるものもあり、大きなチャンスになり得ます。
採択率や難易度もチェックしながら、自社に合った補助金を見つけて上手に活用しましょう。
どんな補助金が使えるのか分からない、書類作成や申請の時間が取れない場合は、補助金申請の専門家に相談してみてください。
秀建では補助金を活用した店舗・商業施設づくりの実績が多数あり、補助金申請のプロフェッショナルをご紹介可能です。
補助金サポートの専門家と私たちで連携し、申請に必要となる工事費用の見積もりなどもスピーディーにお手伝いいたします。
補助金を使った新規事業や店舗リニューアルなど、どんなこともお気軽にご相談ください。
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