(株)秀建 編集部
2022年シェアハウス需要とビジネスアイデア
一つの住宅で複数の入居者が暮らすシェアハウスは、賃貸業界でここ数年需要と存在感を増している営業形態です。
しかしこれから開業を考えている方でも実際にシェアハウスで暮らした経験がないことも多く、どのような属性のユーザーに需要があるのか予測するのは難しいですよね。
そこで今回は、シェアハウスのメインユーザー属性や2022年の需要、これからの新しいビジネスアイデアなどをチェックしていきましょう。
コラムのポイント
・どんな属性のユーザーがシェアハウスを利用しているのか、データを見ながら解説します。
・社員寮やサウナなど、シェアハウスと相性の良いビジネスアイデアをご紹介します。
シェアハウスはどんなユーザーに需要がある?
シェアハウスの市場規模や経営について考える前に、まずはどんな属性のユーザーに需要があるのかを把握しましょう。
データ参照:国土交通省
国土交通省が実施した調査によると、シェアハウス入居者の年齢層は約6割が25歳未満、30歳以上のユーザーはかなり少ない印象です。
メインユーザーである25歳未満の属性は学生が最も多く、進学で親元を離れるタイミングでシェアハウスを検討する方が多そうです。
男女比は男性47.2%、女性52.8%と若干女性の方が多く、女性限定のシェアハウス物件なども多く見られます。
データ参照:国土交通省
入居者の国籍に関するオーナーアンケートでは、日本人のみが31%で、アメリカ・台湾・韓国・中国など外国人の需要も大きいことが分かります。
実際外国語の習得を目的としてシェアハウスに入居する日本人も多いようです。
データ参照:国土交通省
入居者に対する動機のアンケートでは、「家賃が安いから(55.3%)」「立地が良いから(47.2%)」という2つの回答が大きな割合を占めています。
メインユーザーの若い学生にとって、生活費を圧迫しない家賃と通学しやすい利便性は、シェアハウスを選ぶ大きな理由になっているようです。
他の居住者とのコミュニケーションや集まって暮らす安心感など、普通の賃貸にはないシェアハウスならではのメリットで選ぶ方も居るようですね。
エリアについては東京が35%、神奈川・千葉・埼玉の首都圏と合わせて全体の約半数を占めています。
次に多いのが大阪・名古屋などを含む近畿地方の17.15%で、その他の地域は10%以下となっています。
大都市圏は多くの仕事や進学先があり若い方が集まるため、シェアハウス需要も高くなるということでしょう。
- 入居年齢は25歳以下が6割で学生率が高い、男女比は女性が若干多い
- 日本以外では、アメリカ、アジア圏の入居者が多い
- 家賃の安さ・立地の良さがシェアハウスを選ぶ大きな理由
2022年のシェアハウス需要
さまざまなデータを見ながら、2022年以降のシェアハウス需要を考えてみましょう。
直近2021年のシェアハウス物件数は減少
一般社団法人日本シェアハウス連盟が発表した「シェアハウス市場調査2021年度版」によると、シェアハウス物件数は2020年5,104棟から2021年5,057棟と、47棟減少したことが分かりました。
参照:全国賃貸住宅新聞
これは新型コロナウイルスの影響を受け、シェアハウス市場を取り巻く経済全体が落ち込んだことが原因と見られています。
つまりコロナ禍から回復の兆しが見える2022年は、シェアハウスの需要も再び増加する可能性が高いと言えそうです。
外国人のシェアハウス需要は期待大?
参照元:東京都
シェアハウスのメインユーザーの一つである外国人の東京都内人口を見てみると、2022年4月までは減少傾向でした。
しかし政府が条件付きで外国人の入国を再開した6月の影響を受け、7月には数万人単位で回復しています。
2022年10月には入国時のウイルス検査と入国者数の上限撤廃も決定しており、さらに外国人が増えることでシェアハウスのニーズ増加も期待できそうです。
参照:読売新聞オンライン
学生のシェアハウス需要も回復予想
参照:文部科学省
もう一つのメインユーザー層である学生について、文部科学省が実施したデータを見てみましょう。
シェアハウス物件数が減少した2021年は、約50%の学生がコロナ過の影響を受けて収入が減少したと回答しています。学生アルバイトの定番である飲食業を中心に時短営業していたこともあり、収入減につながったのかもしれません。
収入が半分以下になった(21%)、全くなくなった(4.6%)という回答もあり、シェアハウスニーズ減少の原因になったことが予測されます。
2022年はまん延防止措置が終了したことで多くの店舗が通常営業に戻り、学生アルバイトの需要と収入も回復しつつあります。
文部科学省が2022年4月から大学に対面授業を行うよう通知したことで、実家に帰っていた学生がキャンパスに復帰しシェアハウスを探すパターンも考えられそうです。
これからのシェアハウスビジネスアイデア
共用部分にサウナで付加価値アップ
全国的に大きなブームとなっているサウナは、シェアハウスの大きな目玉になる可能性を持ったビジネスアイデアです。
「サウナー」と呼ばれるヘビーユーザーの中には、毎日好きな時にサウナに入りたいと感じている方も少なくありません。
実際サウナ付き賃貸専門の不動産会社なども登場しており、自宅にサウナが欲しいというニーズは明らかに増加しています。
シェアハウスなら共用部分に個人用サウナを設置すれば入居者全員が使えるため、賃貸よりスペースや費用のハードルが低いです。
サウナがあれば競合シェアハウスとの大きな差別化が図れ、多少高い家賃でも集客でき利益アップが期待できるかもしれません。
会社の委託を受けて社員寮として運営
新入社員や独身社員に住居を提供したい会社の委託を受け、シェアハウスを社員寮として運営するのも一つのビジネスアイデア。
イニシャルコストが掛からず運営の手間やコストも抑えられるなど会社側のメリットが多いため、取引先を確保できれば安定した収益が期待できるでしょう。
一般的なシェアハウスのように空室が出るたびに入居者募集をかけずに済むため、広告費もあまりかけずに運営できそうですね。
ワークスペース付きシェアハウス
在宅ワークやフリーランスなどの働き方が増えたことを受け、共有のワークスペースを充実させたシェアハウスも登場しています。
スタートアップ・ベンチャー企業が多いエリアなら、需要にマッチして入居率アップが狙えるかもしれません。
建築家・クリエイターなどジャンルに特化したワークスペースを設け、入居者同士の情報交換など活性化を図るシェアハウスもあります。
入居者限定の外部講師セミナー、自治体と連携したワークショップなど、起業家向けのコンテンツを用意するケースも。
趣味に特化したシェアハウス
ランニングやバイクなど、特定の趣味を持つ方に向けたシェアハウスも増えているようです。
同じ趣味があると入居者同士の交流が活性化され、情報が広まれば新たな集客にもつながるでしょう。
防音室付き、ピアノ付きなど、楽器演奏を全面に押し出したシェアハウスもあります。趣味で楽器演奏を楽しむ方はもちろん、音楽学校の生徒やミュージシャンなど特定のユーザー層に深くマッチしそうですね。
海沿いならサーフィン、山の近くならキャンプなど、地域性に合わせた趣味やテーマを設定するのもアリかもしれません。
まとめ
コロナ禍の影響を受けたシェアハウス業界ですが、2022年は需要が増加する明るい材料が見られます。
新しいスタイルのシェアハウスも増加しており、アイデア次第でビジネスチャンスもまだまだ広がりそうです。
市場動向を細かくチェックしながら、新しいニーズもキャッチしてシェアハウス経営を検討していきましょう。
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