(株)秀建 編集部
サウナの併設で図るホテル再起への道|人気サウナ施設ができるまで
設備の老朽化やおこもり増加によって、人が集まらなくなってしまったホテル。打開策としてサウナを取り入れたいと思うものの、実際に上手くいくのかわからないことに手を出すのは不安ですよね。しかしホテルの未来は、サウナの有無によって決まると言われるほど、今のサウナブームは凄まじいものがあります。
そこで今回は、サウナ併設がホテルにもたらす効果とともに、導入時の参考になる人気サウナ施設についてご紹介します。
コラムのポイント
・今抱えているありとあらゆる問題を解決しホテル再建への道をたどるためには、サウナの導入は検討する必要があります。
・選ばれ続けるホテルとして生き残っていくためには、今の資源を活かしつつ、新しさを取り入れていくことが大切です。サウナの導入を検討しているのであれば、早いに越したことはありません。新しい生活様式に対応していくためにも、早めに対策を講じましょう。
ホテルの未来がサウナの有無で決まると言われる理由
『かつてはあんなに人が集まっていたのに、新しいホテルの建設や老舗ホテルのリニューアルで人の流れが変わってしまった…』『ここにきて更に、新型コロナウイルスの波にのまれて苦しい状況が続いている…』このような状況に陥っていると、ホテル再起の道を考えるのは辛いもの。そんな現状をとにかく打破するために導入して欲しいのが、今流行りの『サウナ』です。
自社ホテルにも、顧客満足度を上げるために大浴場や露天風呂を設置している、という方は多いのではないでしょうか。その大浴場は他の用途への転用が難しく、撤去費用などを考えると事業としての寿命が尽きるまで継続するしかほとんど術はありません。また、追加投資にもかなりの投資額がかかる上、事業計画の立て直しや改修のプランニングにもかなりの労力を要します。
しかしサウナの設置であれば、今ある設備をある程度活かしながら、軌道修正を図ることができます。そして、新しい顧客層の取り込みやリピーターの増加にもつなげることができます。もちろん、大浴場や露天風呂がないような、ビジネスホテルでもサウナは設置することができます。コンパクトな簡易サウナなら施工費用をおさえることができますし、部屋ごとの差別化を図る手段として使用することもできます。今抱えているありとあらゆる問題を解決するためにも、サウナの導入は必要不可欠なのです。
業務用サウナの種類
ホテルに導入できる業務用サウナには、様々な種類があります。
フィンランドサウナ
サウナ発祥の国、フィンランドの伝統的なサウナです。電気式のサウナヒーターを室内に設置して、高温の空気を対流させることで発汗を促します。
どの世代、年代にも好まれるので、ぜひ取り入れていきたいサウナです。
薪サウナ
薪に火をつけて、時間をかけてゆっくりと室温を上げていく薪サウナ。手間も時間もかかりますが、サウナ内の空気が柔らかく優しくなるのが特徴です。
設置されている施設が少ないため、話題性を狙った導入にはおすすめですが、手入れが複雑だったり許可を得るまでに時間がかかったりするため、そこを考慮した準備が必要です。
ロウリュサウナ
タワー状のヒーターに、サウナストーンという専用の石が詰め込まれているものです。定期的に水をかけて蒸気を発生させ、部屋の空気を一気にかき混ぜることで体感温度を上昇させます。さらに、スタッフがお客様をタオルや扇であおぎ、熱風を浴びせていきます。
設置するだけで本格的なサウナを味わっていただくことができるため、ホテルの看板として新たに発信することができます。
壁隠ぺい式サウナ
サウナヒーター本体が、壁の裏に隠してあるサウナです。ヒーターに直接触れる心配がないため、他のサウナに比べて高い安全性が特徴です。
すっきりとした空間をつくることができるので、ホテルの個室に設置したい、専用スペースとして特別感を演出したい、という時に最適です。
遠赤外線サウナ
低めの温度に設定された遠赤外線サウナは、空間を温めるのではなく体を芯からじっくりと温めます。免疫機能向上や美容効果、冷え性改善といった効果があり、健康志向の方に好まれています。
ガス式か電気式かで選ぶことができ、ガス式の方が低コストで導入できます。
スチームサウナ
40〜60℃という比較的低めの蒸気を、室内に充満させたサウナのことです。体に負担を与えることなく、じんわりと汗をかくことができます。
さらに微粒子の蒸気を発生させるミストサウナもあり、これらのサウナはゆっくりと時間をかけながらサウナを楽しむことができます。楽に呼吸ができるので、サウナは楽しみたいけど体には負担をかけたくない、という方に喜ばれます。
サウナの設置基準
新たにサウナを設置する場合、以下の条件を満たすことができるかを確認した上で、計画を進めていきましょう。
・ 男女を区別し、床面や内壁、天井には耐熱性の材料を使用すること
・床面は、100 分の 1.5 以上の勾配をつけて容易に排水が行えるようにすること
・掃除で使用した水が完全に排水できるよう、排水口を設けること
・サウナの蒸気や放射パイプは、入浴者の身体に接触しない構造であること
・換気を適切に行うため、室内のもっとも低い床面に近接する位置に吸気口を設けること
・天強に近接する位置に、排気口を設けること
・温度調整設備を整えること
・サウナ室には、サウナの利用基準温度を表示し、温度計や湿度計を設置すること
・サウナ室内を見通せるよう窓を設置すること
・安全確保のため、非常用ブザーを見やすい場所に設置すること
厚生労働省:公衆浴場における水質基準等に関する指針
ホテルの広さやサウナの設置検討をしている場所によっては、上記の内容を満たすことができないこともあります。詳しい施工に関しては、事前に相談してみましょう。
人気サウナ施設ができるまで
2019年12月に男性専用のサウナ&ホテルとしてオープンした『かるまる池袋』。薪サウナやロウリュサウナなど、様々なサウナを楽しむことができます。
この施設の目玉はなんといっても、都会で許可をとることは難しいと言われている『薪サウナ』です。都会のビルの中で火を燃やす、というスタイルの薪ストーブ。施設がオープンしてからも、消防法及び関係法令に基づく対応工事のためすぐに稼働させることができませんでした。
様々な困難を経て稼働が決まった後は、施設の目玉としてオープン以来多くの人に親しまれています。
ネックになる様々な法律
ホテルにサウナを併設する場合、やはりネックになるのは消防法です。
消防法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC1000000186
地域によって、消防指導による二方向避難といった様々な規制課題が出てくるため、課題解決を試みながらサウナ併設を進めていく必要があります。
また、男女の入替に関しては保健所の高いハードルがあると言われています。都内の個室サウナがいまいち伸びてこないのは、この辺に弊害がある、とも考えられています。サウナ設備は、電気や熱源など設備以外にも様々なものを組み合わせて出来ているため、設置基準を熟知した上で専門知識を活かした施工が必要です。
▶︎サウナーが集う温浴施設とは?人気サウナ施設に学ぶ経営戦略
ホテルの再起を図るなら…
選ばれ続けるホテルとして生き残っていくためには、今の資源を活かしつつ、新しさを取り入れていくことが大切です。サウナの導入を検討しているのであれば、早いに越したことはありません。新型コロナウイルスによって変わってしまった生活様式に対応していくためにも、まずは相談にお越しください。
株式会社 秀建は、内装工事全般だけでなく、外構から躯体までの建築工事や電気・空調換気・給排水・温浴などの設備工事も熟練プロが対応しています。サウナの施工も自社で一貫した施工が可能となっているため、「建築」と「内装」などの二分された連絡・調整・依頼ロス等がありません。
施工のプロフェッショナルだからこそ、オーナー様やテナント様のニーズに合わせた工事を進めていくことができます。ホテルへのサウナ併設や改修における不安や疑問などはお気軽にお問い合わせください。