(株)秀建 編集部
サウナーが集う温浴施設とは?人気サウナ施設に学ぶ経営戦略
サウナブームと言われて久しい昨今。今後も長期化しそうなサウナブームにあやかり、自社でもサウナの新設を…と検討されている方も少なくありません。サウナを新設しリニューアルすることによって、イメージを刷新できるのはもちろんのこと新たな客層を呼び込み、満足度アップ、収益アップにつなげることができます。
コラムのポイント
・今後、自社の競争力を強化する施策として『温浴設備にリソースを割いていく』ことを検討しているのであれば、サウナを強化し、プラスアルファとしてコワーキングスペース、フィットネス、ジムなどの設備を整えていくことが、これからの時代選ばれ生き残っていくための鍵となるでしょう。
・人々が癒しを求め集い、裸一貫で会話を楽しみ汗を流す温浴施設は、私たちの暮らしになくてはならない存在です。だからこそ、今後もその幸せを届け続けるためにも経営形態の改善は状況に応じて必要です。
なぜ?今も続く空前のサウナブーム
ゆったりとお湯に浸かるわけでもなく、ただ汗をかいているだけのように見える『サウナ』が注目されている昨今。関連書籍が多数発売されたり、サウナをこよなく愛し心と体の癒しをサウナに求める人のことを指す『サウナー』という言葉がメジャーになったり、ブームは止まることを知りません。
サウナが注目され始めたのは、2011年に『サ道』が発売された頃。その頃から考えると、すでに10年以上サウナブームは続いていることになります。かつて利用者の大半を占めていた年配層だけでなく、若者にも広がりを見せているサウナブーム。今後も、温泉よりもサウナ人気がさらに高まっていくことを考えると、よほど有名な温泉地や利便性の高い温浴施設でない限り、大規模で種類豊富な温浴施設だけで生き残っていくことは今後ますます難しくなっていくことでしょう。
東京トレンドサウナ、『かるまる池袋』の差別化戦略と選ばれる力
2019年12月に男性専用のサウナ&ホテルとしてオープンした『かるまる池袋』。ここでは、サウナの本場であるフィンランドの薪サウナや、焼けた石に水をかけ発生した水蒸気を楽しむことができる岩サウナなど、様々なサウナを楽しむことができます。
特に火を燃やして使用する薪サウナは、都会で許可を取るのは難しいと言われる中で実現することができたことで施設の目玉となっています。薪サウナを体験したい!というサウナーにとっては期待の高まる設備でしょう。
もちろん、流行りのサウナだけでなく、サウナから出た後にしっかりと体を冷やすことができる水風呂も充実。サウナでしっかりと汗を流した後は、食事処で冷えたビールと美味しい食事を楽しみ、静かなカプセルの中でゆっくり睡眠。
心身ともにリフレッシュすることができるとあって、男性の心をグッとつかんでいます。
かるまる池袋は、「サウナ王」とも呼ばれる太田広さんがプロデュースしているだけあって充実した設備がかなり魅力的です。ただそれだけではなく、動画や漫画が見放題のリクライナースペースや、コンセントも完備し仕事や作業に集中できるコワーキングスペースなど、温浴設備以外にも足を運んでくださるお客様が楽しく過ごせるようなスペースが充実しています。
温浴設備だけでなく、プラスアルファの価値を提供できることで、かるまる池袋はサウナーだけでなく、1人でリラックしたい人、集中して作業をしたい人、漫画を楽しみたい人など様々なニーズを持つ人々を呼び集める事ができるのです。
今後、自社の競争力を強化する施策として『温浴設備にリソースを割いていく』ことを検討しているのであれば、サウナを強化し、プラスアルファとしてコワーキングスペース、フィットネス、ジムなどの設備を整えていくことが、これからの時代選ばれ生き残っていくための鍵となるでしょう。
サウナをこれから新設するメリット
今後を見据えたサウナの新設には、他の温浴施設との差別化だけでなく経営面でも様々なメリットがあります。
メリット① 昨今のサウナブーム
前述したように、今はサウナブームです。大浴場も根強い人気がありますが、よほど有名な温泉街や希少性の高い泉質でなければ、足を運んでもらうのは難しいもの。街中にも天然温泉が溢れているからこそ、温泉施設だけで勝負するのではなく、いち早く差別化を図ることが求められます。
実際に、少し前までは温泉が併設されているビジネスホテルが好まれていましたが、最近では温泉よりもサウナが併設されている方が求められる傾向にあります。このタイミングで、サウナ事業も手堅くスタートさせておくことで、長期的な集客につなげることができます。
メリット② 低い投資額で始められる
新たにサウナを新設する場合、浴場の増築や新設に比べ低い投資額で始めることができます。浴場のような広いスペースを必要としないため、数畳ほどで十分なサウナを新設できるためです。ニーズによっては半畳ほどのスペースに1人用のサウナ、2畳ほどのスペースに2〜3人用のサウナ、というように複数設置することも可能です。
メリット③ 既存建築物の複層階でも設置が可能
現在経営しているホテルや旅館、フィットネススタジオなどに温浴施設を設置する場合、耐荷重の関係で断念せざるを得ない可能性があります。しかしサウナなら、機器の重量もそれほどかからず、温泉水の重量もかかりません。既存の建物そのままで、新たに設置することができます。
もちろん、1階部分だけでなく、複層階に設置できるため、男女別、温度別、人数別など用途に分けて設置することも可能です。
メリット④ 設備を電気式にしてさらにコストダウン
かるまる池袋で使用している薪サウナ以外にも、サウナには電気式やガス式があります。特に電気式の場合、ガス式のようなサウナ機械室を設置する必要がない上、メンテナンス費用などのランニングコストをおさえることができます。
電気式サウナの本体を設置するだけで使用できるため、試験的に導入して方向性を検討する、設備投資はしたいが費用はおさえたい、といった場合に最適です。
メリット⑤ 若年層の取り込みが期待できる
どうしても利用年齢層が高くなりがちな温浴施設ですが、サウナを設置することで若年層の取り込みも期待できます。『サウナがあるから』という理由で、1人の時間を楽しみたい若者や友人とのサウナ巡りを楽しむ若者に選んでもらうことができれば、それだけで若年層を取り込むことができます。
サウナといっても、同じサウナはひとつもありません。温泉同様、自分好みの熱さや水風呂の冷たさが揃っているサウナを探し求める行動を満たす場所が提供できれば、それだけで選ばれる理由となるのです。
サウナーが集う温浴施設にするために…
次のポイントをおさえた上で、サウナの導入計画を立てていきましょう。
経験と実績を確認
施工会社にサウナの導入を依頼する場合は、どんな温浴施設を手がけてきたのか、どんな仕上がりになっているのか、といった経験と実績を確認しましょう。ホームページの実績を確認することで、ある程度把握することができます。
もちろん、ホームページ上には載っていない情報もたくさんあります。まだ検討中…という段階でも、見積もりや工事計画など一度問い合わせて話を聞いてみるようにしましょう。
アイディアとセンスのすり合わせ
サウナを新設した先にある未来図を共有しながら施工計画を立てて行かなければ、意味のある設備投資をすることはできません。そこにはたくさんのアイディアと、今ある施設をより活かすことができるセンスが求められます。
自分たちが希望する温浴施設を、現実とすり合わせながらしっかりと実現できる施工会社とともに、改修計画を立てていくことが大切です。
サウナを充実させて新しい癒し空間の実現を
人々が癒しを求め集い、裸一貫で会話を楽しみ汗を流す温浴施設は、私たちの暮らしになくてはならない存在です。だからこそ、今後もその幸せを届け続けるためにも経営形態の改善は状況に応じて必要です。
今後を見据え、サウナの導入を検討されているのであればぜひ一度ご相談ください。
株式会社 秀建は、内装工事全般だけでなく、外構から躯体までの建築工事や電気・空調換気・給排水・温浴などの設備工事も熟練プロが対応しています。 また、建築は木造住宅から鉄骨・RC造に至るまで、内装は飲食店やリゾートホテルなど、自社で一貫した施工が可能となっているため、「建築」と「内装」などの二分された連絡・調整・依頼ロス等がありません。
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