(株)秀建 編集部
サウナ開業物件探しのチェックポイント|電気容量・耐荷重・営業時間などを確認しよう
昨今のサウナブームで温浴業界全体が活性化しており、新規開業が相次いでいます。しかし、サウナ開業にあたって大きな課題となるのが物件探し。サウナはほかの業態に比べて物件探しのハードルが高く、難航するケースが少なくありません。
そこで今回は、サウナ開業物件探しの際にチェックすべきポイントを、店舗・商業施設づくりのプロフェッショナル秀建が詳しく解説します。電気容量・耐荷重などの設備面、視認性や営業時間など、重要なポイントを1つずつチェックしましょう。
コラムのポイント
- ・サウナ物件探しは電気容量や耐荷重などのハードルが高いため、確実に開業できるテナントを見つけることが重要です。
- ・営業時間や入店動線など、経営に関わるポイントも要チェックです。
- ・競合店と別の客層を狙い、「共存」するという考え方も大切です。
サウナ開業における物件選びの重要性
どのような業種でも開業物件選びが重要になるのは言うまでもないことですが、サウナは特にハードルが高いです。ストーブや電気設備を稼働させるための電気容量、サウナ室や水風呂を設置するための耐荷重などの要件をクリアする物件を見つけるのはなかなか大変です。
また、サウナは建築基準法における「特殊建築物」に該当するため、レイアウトや内外装材などの基準もクリアしなければなりません。法規制をクリアできる物件でないと、そもそも開業できない可能性もあるのです。
〈関連コラム〉
思い描く理想のサウナ施設や提供したいサービスを実現するには、物件選びが重要になります。さらに、きちんと需要があり、事業として存続できるエリアを選ぶ必要もあるのです。
サウナ開業物件探しのチェックポイント
実際にサウナ開業物件を探すときにチェックすべきポイントを1つずつチェックしていきましょう。
電気容量
サウナは電気ストーブをはじめとする設備が多く、開業物件に求められる電気容量のハードルが高いです。特にテナントビルで開業する場合、物件によって電気の契約方法や配線が異なるため注意が必要です。オーナーの許可を得られず電気容量を上げられないケースや、構造的に対応できない場合もあります。
開業するサウナの規模に必要なストーブ・設備を確認し、必要な電気容量を確実にクリアできる物件を選びましょう。テナントビルの電気容量計算、サウナに必要な目安はこちらのコラムをご覧ください。
〈関連コラム〉
テナントビル電気容量の計算方法、kWとは?飲食やサウナの必要目安も
耐荷重
サウナ開業の物件探しでは、サウナ室や水風呂を設置できる耐荷重も必ずチェックすべきポイントです。
用途 | 床設計用の積載荷重 |
住宅 | 1800N/㎡ |
事務室 | 2900N/㎡ |
百貨店または店舗の売場 | 2900N/㎡ |
上記のように、建築基準法では建物の用途に応じて耐荷重の下限を定めています。
事務所や店舗の基準2900N/㎡は、1㎡あたり約296kgの重量を支えられる耐荷重です。水風呂の場合、深さ30センチの時点で水の重量が耐荷重の下限を上回ってしまいます。ほかの業種に比べると、サウナ開業物件の耐荷重のハードルはかなり高いです。
すべての建物の耐荷重が建築基準法の下限でつくられているわけではありませんが、確実にクリアできる物件を見極める必要があるのです。
営業時間・入店動線
テナントビルでサウナ開業する場合、営業時間の制限や入店動線もしっかりチェックしましょう。
営業時間は、ビル全体のセキュリティやオーナーの意向に左右されるケースが多いです。ピークタイムである夜間に営業できないビルでは、サウナで収益を上げるのは難しいでしょう。
また、夜間営業できるビルでも、夜は入り口や入店方法が変わるケースもあるので要注意。専用入り口やエレベータなど、お客様がスムーズに入店できる動線が必要です。
また、通りからの視認性や看板の設置場所など、店舗の視認性に影響する規則も必ず確認すべきポイント。実際の営業をリアルにシミュレーションし、支障のない物件を見極めましょう。
サウナ開業でビル・地域に貢献するという考え方
サウナを開業する物件を選ぶ際は、確実に利益を上げて事業として存続できるか?という視点が第一になりますよね。しかし、サウナ施設の開業で、ビル自体の価値を高めて地域に貢献するという考え方もあります。集客力が高いサウナを開業することでビル自体の利用客が増え、飲食店やスーパーなどほかのテナントの売り上げに貢献する効果が期待できるのです。
例えば、サウナがオープンしてから、同じビルのコンビニのマスクの売れ行きが良くなったという事例があります。サウナでメイクを落とした女性客が、そのまま帰宅するためにコンビニでマスクを購入するケースが増えたのです。このように、サウナ利用客の消費行動による思わぬ効果もあるのです。
また、震災発生時に水風呂を消火活動に活用したり、帰宅困難者のために仮眠スペースを提供したりして地域貢献したケースも。ビジネスとして確実に収益を上げることも大切ですが、サウナでビルや地域に貢献し、相乗効果を生むことも大切な考え方と言えるでしょう。
サウナ開業物件とエリアの考え方
昨今のサウナブームにより駅前から郊外までさまざまな場所で開業が相次いでおり、物件探しやエリア決めの際の競合調査も重要なポイントとなっています。
競合店が多い人気エリアは開業のチャンスが少ないイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。競合店とシェアを奪い合うのではなく、違うコンセプトのサウナをつくり「共存」するという考え方もあります。
例えば、広い浴槽や休憩スペース、おいしい食事に力を入れたサウナ施設は、ファミリーやカップルなどの客層がメインです。
一方、サウナ室や外気浴スペースに力を入れたクオリティの高い施設は、サウナ好きの男性客が多くなります。このように客層が異なるサウナ施設なら、同じ商圏内でも共存できる可能性があるでしょう。競合性が高い人気エリアでも、今までにないサウナ施設やサービスを考えれば、開業のチャンスがあるかもしれません。
施設やサービスのコンセプトが異なる施設が集まれば、地域全体の認知度が高まり、他エリアからの新しい顧客獲得につながる可能性も考えられます。サウナ開業の物件探しをするときは、このような視点でエリア決めや競合調査をしてみてください。
サウナ開業物件探しは専門性の高い会社に相談!
第3次サウナブームと言われている現在。この大きなチャンスをつかんで業界全体をさらに活性化させるためには、今までにない施設やサービスづくりで需要を拡大していく必要があります。しかし、サウナは他業種と比較して建物側のハードルが高いため、物件によっては自由に店舗をつくれない、または開業自体が難しいケースも考えられます。
サウナ開業の物件を探す際は、なるべく施工実績が多く専門性が高い施工会社と一緒にチェックするのがおすすめです。サウナ施工に詳しい専門家と物件をチェックすることで、つくりたい施設や提供したいサービスを確実に実現できます。保健所や消防への事前相談も、施工会社を交えた方がその後の工程がスムーズに進むでしょう。
サウナ開業に関するご相談やお見積りは、店舗・商業施設づくりのプロフェッショナル秀建にお任せください。これまで多くのサウナ施設づくりをサポートした実績がございますので、物件探しや施工費用などさまざまな面でアドバイス可能です。まずはお気軽にご相談ください。