(株)秀建 編集部
サウナ×医療・健康の最前線事例をチェック!
空前のサウナブームが続く日本では、老若男女がサウナを楽しむようになりつつあります。
爽快感・精神面のリフレッシュ・美容効果など、サウナに求めることはさまざま。しかし、近年はサウナの健康面への効果が注目されており、医療業界でもサウナを採り入れる事例が増えてきています。
そこで今回は、サウナ×医療・健康の最新事例を取り上げ、実際に施設をつくるときのポイントなども考えてみましょう。
コラムのポイント
- サウナの健康効果はまだ研究途上ですが、さまざまな利用現場での活用が期待されています。
- メディカルツーリズム・車いす利用できるサウナ、「ととのい」の数値化など、ユニークな取り組みをピックアップしました。
- 医療サウナをつくる際は、健康効果が期待できるサウナ本体づくりはもちろん、バリアフリーなど利用者の目線に立った施設づくりも求められます。
体に良いサウナとは?
一般的には「サウナ=体に良い」というイメージが強いですが、逆に心臓や血管に負担がかかるというネガティブな意見も目にしますよね。
日本のサウナブームを牽引しているのは、高温サウナでたっぷり汗をかき、水風呂の温度差を楽しむ入浴方法です。このようなサウナの入り方も、血行促進効果やストレス緩和に効果があると言われています。実際に「サウナー」の意見を見ると、気分がスッキリして寝つきが良くなったなど、効果を感じている方も多いようです。
一般的には、狭心症・不整脈・心筋梗塞などの持病を持っている方は、医師の判断でサウナ利用を禁止されるケースが多いです。しかし、心臓や血管の負担が少ない低温サウナを、医療の現場で活用する事例も増えてきています。
サウナは浴槽のように水圧がかからないため、適切な温度・時間などを守れば、持病を持っている方も入れる可能性があるのです。運動や入浴で汗をかくことが難しい方にとって、医療サウナはさまざまな効果が期待されています。
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サウナ×医療・健康の最前線事例
サウナを医療の現場に採り入れている事例は、日本全国で徐々に増えつつあります。具体的な取り組みや製品情報など、医療サウナの最前線事例をいくつかピックアップしてみましょう。
直本工業「見えないスチーム」
アイロンや水蒸気オーブン、クリーナーなどのスチーム機器を専門に扱う、直本工業が開発したサウナ用ボイラーが注目を集めています。
このボイラーは、一般的な水蒸気より粒が小さい「過熱水蒸気」を放出するのが特徴です。一般的なスチームサウナは水蒸気を目視できます。しかし、粒が小さい水蒸気は「見えないスチーム」となり、身体の中に入ることで芯から温めることができるようです。
メーカーサイトによると、サウナ室温は40~43℃と低めですが、細かい分子構造のスチームで身体の芯から温まり、出た後も持続すると記載されています。一般的なスチームサウナと比べても室温が低いため、身体に負担をかけずにサウナを楽しむことができそうですね。
参照元:直本工業 電気式簡易貫流サウナ用ボイラー Caldaia(カルダイア)
サウナ+がん検診のメディカルツーリズム(十勝市)
十勝サウナ協議会を中心にサウナの普及を進めている十勝市では、がん検診とサウナのセット旅行プランが登場しています。
十勝のおいしい食事や自然、本格的なサウナを楽しみながらがんリスクの検査を実施して、旅行から帰った後に結果が送られてくる仕組みです。がんリスクの検査は時間がかからず、旅行中の負担が少ない方法が採用されています。
さらに、日本サウナ学会に所属する医師が同行し、ととのい講座を受けながらサウナを楽しめるプランも。「メディカルツーリズム×サウナ」が全国で広がれば、さらにサウナの魅力と健康効果の認知が期待できそうですね。
参照元:SODANE 十勝でサウナメディカルツーリズムがスタート!Makuake「十勝ヘルスケアツアー」
医師が作った車いすで利用できるサウナ施設
京都では、医師が温浴治療のためにつくったサウナ施設もオープンしています。フィンランド語で「JOKAINEN(よかいねん)」と名付けられたサウナは、誰でも利用できるというコンセプトでつくられています。
車いすのまま入れるバリアフリーサウナで、身体に障害のある方も利用できるように設計されているのが特徴です。また、一棟貸し切りの予約方式で、専門スタッフの介助も頼むことができます。専用の水風呂&休憩エリアも備えているので、一般的なサウナ施設と同じようにととのい体験できるようになっています。
今後もサウナの医療活用が広がっていけば、このような施設の需要も増えていくかもしれません。
参照元:毎日新聞 車いす可のサウナ備えた温浴施設オープン 予防医療目指し 京都
参照元:ぬかとゆげ公式サイト
「ととのい」を数値化
専用デバイスを腕に装着してサウナに入り、「ととのう」感覚を数値化するという面白い取り組みも。
サウナウォッチが計測した心拍数をアプリに送り、独自のアルゴリズムでととのいを数値化する仕組みのようです。現時点では医療機器としてつくられたものではありませんが、安全かつ快適にサウナを楽しむために、日本サウナ学会の加藤容崇博士が監修しています。
多くのサウナーの心拍数データを分析してビッグデータを取れれば、将来より安全で効果の高い医療サウナ開発にも役立てられるかもしれませんね。
参照元:学研出版サイト
医療サウナづくりはどこに相談すべき?
ここまで見てきたように、さまざまな医療サウナの技術が登場し、新しい施設づくりも進められています。しかし医療サウナはまだまだスタートしたばかりで事例が少なく、つくり方・予算・発注先など、分からないことが多いです。日本国内にもサウナづくりに対応する会社は複数ありますが、どこに相談したら良いのか迷う方は多いでしょう。
医療サウナの相談先を探すときは、サウナの実績が豊富で、医療・公共施設づくりの知見も持っている施工会社に相談するのがおすすめです。
医療サウナはまだ始まったばかりなので、最新情報をキャッチして健康効果が期待できる施設をつくることが重要となります。ストーブの選定・ベンチの形状・広さやレイアウトなど、専門的な立場からのアドバイスが必須です。
また、医療サウナの利用者は体が不自由なケースも考えられますので、スムーズな動線・バリアフリーな施設づくりも求められます。サウナ本体だけでなく、医療施設や介護施設づくりの実績もある施工会社なら、双方の視点で利用しやすい施設づくりをサポートしてもらえるでしょう。
医療サウナの相談は、サウナづくりのプロフェッショナル秀建へ
前例の少ない医療サウナづくりをご検討の際は、店舗・商業施設づくりのプロフェッショナル秀建にご相談ください。
これまで多くのサウナ施設づくりをサポートしてきた実績がございますので、業界の最新技術を活用した医療サウナにも対応可能です。建築基準法・消防法などへの適応、申請手続きなど、課題となることが多い部分もしっかりサポートいたします。
病院・クリニックの施工実績も多数ございますので、利用者様の目線に立った施設づくりもお任せ下さい。既存の建物にサウナを増設、サウナ棟を新設など、どのようなプランにも柔軟にご対応いたします。
図面や現地の状況から、大まかな費用や工期などのご質問にもお答えできますので、ぜひお気軽にご相談ください。