(株)秀建 編集部
【2023年版】サウナ開業で考えるべきこと|トレンド・関連法規の注意点を解説
空前のブームによって多くのユーザーにサウナの魅力が伝わり、日本各地でサウナ施設の開業が相次いでいます。これまでは中高年の方がサウナユーザーの中心でしたが、老若男女問わずサウナを楽しむ方も増えています。このような状況はサウナ開業を考えている方にとって、大きなチャンスと言えるでしょう。
しかしサウナトレンドの移り変わりや関連法規の見直しなどもあり、開業にあたって考えるべきことも変化しつつあります。そこで今回は、2023年のサウナ業界動向やトレンドを踏まえ、開業時に考えるべきことを改めて確認していきましょう。
手続きや法規制などサウナ開業に関する基礎知識については、こちらのコラムも併せてご覧ください。
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コラムのポイント
- サウナブームは大きなチャンスですが、開業にあたって注意すべきポイントも多数あります。コンセプト・法規制など注意すべきポイントを抑えましょう。
- 2023年はサウナ本体のクオリティだけでなく、施設全体の世界観やサービス内容を重視するユーザーが増えています。
- 「ウィスキング」「呼吸できるサウナ」「アウフグース」など、サウナ業界のトレンドも解説します。
「サウナ開業=儲かる」という認識はNG
空前のサウナブームによって大きなチャンスがあるのは間違いありませんが、ただ新規開業すれば儲かるわけではありません。
注目度が高い分新規参入も相次いでおり、特に需要が大きい都市部では競合率も高くなっています。またSNSの情報拡散力などを背景にトレンドの移り変わりも早くなっており、ユーザーのニーズに合わせたコンセプト・施設づくりも求められています。ただ「新しくてキレイなサウナ施設」をつくるだけでは、競合に埋もれて失敗してしまうリスクが高いでしょう。人気のサウナ施設では休日やピークタイムに行列ができている一方、うまく集客できず閉業に追い込まれている店舗があるのも事実です。
参考:毎日新聞 駅前サウナ、熱波に乗れず 名古屋「聖地」閉店 大浴場付き採算難しく
事業用サウナは個人住宅で使用するホームサウナとは別物であり、対応すべき法規制や初期費用のハードルはかなり高いです。一般的なサウナ施設の建築費用は1億円前後かかることが多く、転用・撤退も容易ではないため失敗するわけにはいきません。
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サウナ開業を確実に成功させるためには、まず建築基準法・消防法・公衆浴場法などの関連法規を確実にクリアするのが基本です。さらに業界動向とトレンドを把握して、ユーザーにとって本当に価値があるサウナ施設をつくらなければいけません。
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2023年サウナ開業のトレンドとは?
昨今は、ただ「ととのう」感覚や爽快感を味わうだけでなく、「ウェルビーイング」を得るためのサウナ利用がトレンドになりつつあります。
ウェルビーイングとは身体的・精神的・社会的に満たされている状態のことです。サウナの本場フィンランドをはじめ、多くの国や企業がウェルビーイングを目指しており、そのためにサウナに入る考え方が増えているのです。
例えば白樺などの枝を束ねて体を刺激し、森林浴のような癒しを得る「ウィスキング」。日本のドライサウナより温度は低く湿度が高い、息苦しさを感じない「呼吸できるサウナ」など、よりリラックスできるサウナの注目度と需要が高まっています。体への負担が少なくリラックスしやすいサウナなら初心者の方も楽しみやすく、ガマンを強いられて苦手になってしまう心配もありません。
またサウナ室・水風呂・外気浴スペースだけでなく、ゆっくり休憩やコミュニケーションを取れるスペースでおいしい食事を提供するなど、一つの世界観・コンセプトに則り全体でサービスを提供するサウナ施設も人気を集めています。サウナ室自体のクオリティや水風呂の温度なども大切ですが、その施設でどんな体験ができ、幸せな状態になれるのかが重要なのです。
サウナストーンで発生させた蒸気をタオルなどであおぐ「アウフグース」も文化として根付きつつあります。日本・世界で大会も開催されており、有名な熱波師を招いて一体感を楽しめるアウフグースイベントなども人気です。今までにない収容人数を誇るシアターサウナなども日本各地に登場しています。
日本ではブームをきっかけにサウナを利用するユーザーが増加し、一つの文化として進化・熟成しながらトレンドも変化しつつあります。サウナユーザーのニーズや世界的なトレンドをチェックして、施設・サービスそれぞれをしっかり練り上げることが重要です。
サウナ開業は関連法規の把握・対応が重要
「その他の公衆浴場」に分類されるサウナは、建築基準法・消防法・公衆浴場法など多くの関連法規の対象となる業態です。さらに前述したトレンドの変化によって、関連法規の把握と対応の重要性がさらに高くなっています。
例えばご家族やカップルで一緒にサウナに入りたいとうニーズが増えていますが、対応できるかどうかはケースバイケースです。ホテルや旅館などの貸し切りプライベートサウナは旅館業法の管轄となり、男女一緒に入れる可能性があります。しかし公衆浴場法に則り不特定多数の利用客が訪れるサウナは、原則的に男女一緒に利用はできません。
水着着用なら男女一緒にサウナに入れる可能性もありますが、管轄する保健所によって判断が異なるケースもあります。
また前述したようにサウナ施設全体で包括的なサービスを提供する場合、さらに多くの関連法規が複雑に影響する可能性も考えられます。特に前例のないサービスを提供する場合、しっかり関連法規を確認しないと営業許可を受けることができない可能性もあるのです。
そのようなトラブルを回避し確実にサウナ施設をオープンするためには、計画初期段階での関係窓口への事前相談・協議が欠かせません。施設のレイアウトやサービス内容を固めた後で内容が変更になると、コンセプト通りのサービスを提供するのが難しくなります。また法規制に対応するためレイアウトや内装工事が変更になると、追加費用が発生する可能性が高いです。
消防署や保健所の指示に確実に対応するためには、実績が多い施工会社を交えて事前協議することが大切です。ノウハウが豊富な施工会社なら、法規制をクリアしつつ施設のデザインやサービスを実現するためのアドバイスをもらえるでしょう。サウナ・温浴の施工実績だけでなく、飲食・休憩スペースなども含めて施設全体の実績が豊富な施工会社に相談しましょう。
サウナ開業の相談は秀建へ
私たち秀建は店舗・商業施設のプロフェッショナルとして、多くのサウナづくりをサポートしてきました。サウナ本体や水風呂はもちろん、内装・建築も含めてワンストップサポートできるのが私たちの強みです。
サウナのプランニング・見積もりはもちろん、関連窓口への事前相談、手続きもしっかりサポートいたします。実現したいサウナのアイデア、物件選びなど、どんなこともお気軽にご相談ください。