(株)秀建 編集部
スタートアップのオフィスづくりのポイント|使える補助金制度も
革新的なビジネスアイデアでスピード成長を目指すスタートアップ企業にとって、受け皿となるオフィスの存在は重要です。
今回はレンタルオフィスやコワーキングスペースから賃貸オフィスへ移転する際、考えるべきポイントを解説します。
後半では、オフィスづくりに使える補助金制度も紹介します。
コラムのポイント
・スタートアップ企業がオフィスを持つことにはさまざまなメリットがあります。
・メンバー全員が働きやすい環境やコミュニケーション促進の工夫が、新しいアイデアを生み出します。
スタートアップ企業がオフィスを持つメリット
レンタルやコワーキングスペースのオフィスから、賃貸オフィスに移転するメリットを見ていきましょう。
スタッフの結束力とモチベーションアップ
レンタルオフィスから賃貸オフィスに移行することは、働くスタッフが会社の成長を感じられるきっかけになります。
特にメンバーが増えるタイミングは、チームワーク構築やモチベーションアップが重要な課題。
自分たちだけの拠点ができることで、既存メンバーはもちろん新しいスタッフとの絆が深まりまるのは大きなメリットです。
企業としての成長をアピールできる
コワーキングスペースやレンタルオフィスと比べると、賃貸オフィスは企業としての信頼性を高めるメリットも見逃せません。
クライアントからの信頼獲得につながるのはもちろん、企業としての成長をアピールすることで投資家や金融機関にも好印象を与えられます。
また腰を据えてビジネスに取り組んでいる印象も生まれるため、雇用面でも効果が期待できます。
業務効率の良いレイアウトをつくれる
賃貸オフィスは比較的自由に内装を変更できるため、業務内容に合わせて効率の良いレイアウトをつくれるのもメリットです。
意見交換を活発化させたり、集中できるスペースを確保したり、自社オフィスならではのビジネスアイデアが生まれるきっかけになるかもしれません。
レンタルオフィスだと大型機材の持ち込みは難しいですが、賃貸なら業務に必要な機材も自由に配置できます。
顧客とじっくり打ち合わせできる
自社オフィスならミーティングスペースを自由に設計できるため、顧客との商談や細かい打ち合わせを落ち着いて行えるのも大きなメリットです。
レンタルオフィスにも商談スペースはありますが、周りの話し声や人の往来が目に入るとどうしても気になるものです。また情報漏洩の可能性を考えると、取引先や顧客と重要な話をするのは難しいケースも。
スタートアップ企業のオフィスづくりのポイント
社員のニーズを調査する
自社オフィスを構える理由や目的は様々ですが、働くスタッフ全員が主役であることを第一に考えましょう。
具体的なレイアウトや内装プランを考える前に、社員がオフィスに求めることを調査してみるのがおすすめです。
今の環境に対する不満、あこがれのワークスタイルなどを一つずつ採り入れていけば、理想的なオフィスプランが見えてくるはずです。
聞き取り調査、アンケートなどさまざまな手段で、社員の意見・要望を集めてみましょう。
アイデアが生まれる工夫
新しいビジネスや課題解決のアイデアがどんどん生まれる空間づくりも、スタートアップオフィスの欠かせない要素です。
GoogleやTwitterなどの先進的なIT企業は、おしゃれでワクワクするようなデザインと仕掛けで新しいアイデアを創出しています。
おしゃれなデザインや開放感、リフレッシュルームなど、どんどんアイデアが湧いてくるオフィスを考えてみましょう。
コミュニケーションを促進する
創業者とコアメンバー中心のチームからメンバーが増えてくる成長期は、スタッフ間のコミュニケーションを促すオフィス構築も重要なポイントです。
スタッフ間のコミュニケーションが活発化すれば、創業メンバーの考えが新規メンバーにも伝わり強いチーム構築につながります。
間仕切りの少ないレイアウトや明るいミーティングルームなど、気軽に意見交換できるデザインを考えましょう。
女性も働きやすい環境をつくる
これからスタッフが増えていく成長期のオフィスづくりでは、男女ともに働きやすい環境を整えることも重要となります。
労働安全衛生法では、女性スタッフ20名以上のオフィスには、男女別トイレの設置を義務付けています。また女性にとっては、パウダーコーナーや更衣室なども必要ですよね。
他にも女性スタッフが働きやすい環境づくりはたくさんありますので、前述した社員ニーズの調査でしっかりキャッチアップしましょう。
スタートアップオフィスの物件選びポイント
実際の賃貸オフィス物件選びで考えるべきポイントを一つずつ見ていきましょう。
事業規模に合った広さか
オフィスは狭すぎると業務効率が上がりませんし、広すぎても賃料のムダになってしまいます。
一般的には1人あたり2~3坪がオフィス面積の目安と言われています。ただし業務内容やオフィスレイアウトで適切な広さは変わるため、目安で決めずしっかりシミュレーションしましょう。
現在のメンバーと採用計画を踏まえ、次のステップアップまで何年過ごすのか考えて広さを決めるのが分かりやすいです。
利用時間の制限が厳しくないか
賃貸オフィスは24時間利用可能な物件が多いですが、中には時間や曜日で制限されている物件もあるので要注意です。
特にセキュリティシステムや空調設備が古いオフィスビルでは、閉館時間が決まっていることもあるようです。
フレックスなど時間に縛られない就業体制を考えている場合、なるべく利用制限のない物件を選びましょう。
スタッフ全員がムリなく通えるか
オフィスは創業者や経営チームだけでなく、スタッフ全員で使う大切な場所です。スタッフの居住地にもよりますが、全員がムリなく通えるエリアを選ぶことも重要です。
物理的な距離はもちろん、公共交通機関の路線なども踏まえ通いにくいスタッフが居ないか配慮しましょう。
ビジネスパートナーと連携しやすい立地か
オフィスは取引先や企業仲間と連携しやすい立地を選ぶことも大切です。
最近はオンライン打ち合わせも増えていますが、重要な決定や相談は顔を合わせてしたいものです。
パートナーとの連携が深まることで生まれるアイデアやチャンスもありますから、やり取りの多い相手との距離感にも配慮してみて下さい。
将来移転しやすい契約か
今後もどんどん事業規模拡大を目指すなら、社員数がオフィスのキャパシティーを超えたときの移転も想定しておきましょう。
最低契約期間と違約金の内容を確認し、事業計画とすり合わせて次の移転まで見据えておくとムダがありません。
審査が通りやすいか
スタートアップを立ち上げてまだ期間が短い場合、審査の通りやすさも物件選びでチェックしたいポイントです。
個人・デベロッパーなどオーナーの属性でも審査の傾向がかわりますので、内見時にそのあたりも聞いておくと良いでしょう。
ビルの雰囲気が企業イメージに合っているか
外観やエントランスの雰囲気、ほかのテナントの業種も、オフィス物件選びの要チェックポイント。
いくら内装にお金をかけても、怪しい雑居ビルの一室ではスタッフのモチベーション、会社の信頼度は上がりません。
目指す企業イメージに合った雰囲気のビルをチョイスしましょう。
スタートアップオフィスで使える補助金制度
家賃補助系
市町村が運営する家賃補助は、スタートアップ企業のオフィスづくりで活用したい補助金制度の一つです。
例えば茨城県つくば市は「スタートアップ立地推進奨励補助金」があり、家賃の1/2(月額上限5万円)を一年間補助してくれます。
オフィスを開設するエリアによって助成額や内容が異なるため、物件検討時に合わせてチェックするのもおすすめです。
創業補助系
立ち上げて間もないスタートアップ企業のオフィスづくりなら、創業費用の補助金制度を活用するのもおすすめ。
例えば東京都の「創業助成金」は創業後5年未満の中小企業と個人を対象に、上限300万円、下限100万円を助成する制度です。助成対象経費は賃借料、器具備品購入費などが含まれるためオフィスづくりにも活用できます。
オフィスづくりに使える補助金は、エリアや申請のタイミングによっても変わります。詳細についてはぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
スタートアップ企業がオフィスを持つことにはさまざまな意味があり、成長していくための大切な受け皿となります。
今回の内容が皆さまの理想的なオフィスづくりに役立てば幸いです。
私たち秀建は、店舗内装・オフィスづくりのプロフェッショナルとして多くの企業の内装工事をお手伝いしてきました。
オフィス施工事例も多数ございますので、こちらもぜひご覧ください。