(株)秀建 編集部
事務所の間取りで問題解決|成果につながる職場環境のつくり方とは
1日の大半を過ごす職場は、働きやすく生産性をあげやすい快適な場所にしたいもの。とはいえ、どんな間取りにすればいいのか、何か基準はあるのか、など気になることもたくさんありますよね。事務所が働きやすい快適な空間になっていれば、効率よく適切なコミュニケーションをとりながら、成果につながる仕事を進めていくことができます。
今回は、事務所の間取りの考え方、レイアウトパターンと合わせて注意点をまとめました。これからの移設、開設計画時にぜひお役立てください。
コラムのポイント
・チームとして職場を活用していく以上、『相互理解』と『相互信頼』を築きながらコミニュケーションをとる必要があります。心理的安全性を保ち成果を発揮していくためにも、改めて事務所の間取りを見直してみましょう。
・採用する間取りによって、事務所で働く社員は大きな影響を受けます。生産性を高め、組織として成果を上げ続けるためにも、働きやすい快適な職場環境を整えていきましょう。
事務所の間取りが成果を左右する理由
家庭の次に長い時間を過ごす事務所。新型コロナウイルス蔓延によって人々の働き方は大きく変わり、リモートワークが増えたとはいえ、社会に提供できる価値を生み出す場、共存し互いをサポートする場として『事務所』の存在は今後も必要とされています。
事務所環境で多いストレス
仕事を進めていく上で大きな役割を果たす事務所ですが、事務所で働く6割以上の人がストレスを抱えているといわれています。そのストレスも人間関係や業務量ではなく、事務所の環境が意外と大きなストレスを与えています。
空調によるストレス
暑すぎる、寒すぎるといった環境では集中できずストレスになり、体調面だけでなく精神面にもダイレクトに影響を与えます。事務所の広さに合わせた空調を選び、快適な環境をつくり出す必要があります。
音によるストレス
隣の会議室の会話が丸聞こえ、パーテーションで仕切るだけなので会話が響きやすい、など音によるストレスも心身の負担になります。働きやすい環境をつくるだけでなく、プライバシーを保つためにも防音性を高めることが大切です。
視覚によるストレス
作業に集中したいのに常に人が視界に入ってくる、上司の視線が気になる、作業を覗かれる、などもストレスになりやすい要因です。気にしすぎでは…と思う方にとってはちょっとしたことでも、意外と多くの方がストレスに感じています。
閉塞感によるストレス
狭い方が集中しやすい方もいらっしゃいますが、多くの方にとって閉塞感はストレスになります。事務所そのものの広さだけでなく、作業スペースの広さなども閉塞感につながるため、開放的にするための工夫が必要です。
散らかった環境によるストレス
資料や本が雑然と散らかっている、もう使わないものがいつまでも放置されている、といった整理整頓がなされていない環境もストレスに繋がります。十分な収納スペースがあるか、そのスペースは有効に活用されているかの見直しが必要です。
こういった環境によるストレスが積もり積もることで、働く人の生産性が下がり、その結果成果にも繋がりにくくなります。
チームとして職場を活用していく以上、『相互理解』と『相互信頼』を築きながらコミニュケーションをとる必要があります。職場の中で自分の意見や考え、気持ちを誰に対しても安心して発言できる心理的安全性を保ち成果を発揮していくためにも、改めて事務所の間取りを見直し、最適な環境に整え直しましょう。
参考記事:【業務用】空調機メーカーを比較!お得な選び方と注意点
事務所の間取りレイアウトパターン
事務所の間取りを決める時は、職種や業務内容、広さに合わせてレイアウトパターンを選びましょう。
① アイランド型
アイランド型はグループや部署ごとにデスクを集めたレイアウトで、多くのオフィスで採用されています。省スペースでもたくさんのデスクを配置しやすく、向かい合って座ることでコミュニケーションをとりやすいのも特徴です。
② 背面型
背面型はスタッフ同士が背を向けて座るレイアウトで、必要であれば声をかけてグループ作業も進めることができます。お互いの視線を意識することなく作業にも集中しやすいため、デスクワークが多い事務所に向いているレイアウトです。
③ 並列型
並列型は各々が同じ方向をみて作業をする小学校の教室のようなレイアウトで、職種に合わせて最適な向きを選ぶことができます。上司が全体を把握し指示を出しやすい、視線によるストレスを減らすことができる、などのメリットがあります。
④ フリーアドレス型
フリーアドレス型は、固定席を持たずにパソコンや文房具などを持って自分の好きな席で仕事ができるレイアウトです。グループや部署を超えてコミュニケーショをとりやすく、気持ちを切り替えながら仕事を進めることができるため、社員にとってのメリットだけでなくスペースコストを減らすことができるという企業にとってのメリットもあります。
事務所の間取りを決める注意点
事務所の間取りを決めていく時は、以下のポイントに注意しながら決めていくようにしましょう。
注意点⒈ 通路幅の基準
デスクとデスクの間や通路幅などのスペースは、快適に利用できるように人がスムーズに通ることができる広さにしておきましょう。事務所の端のようなあまり人通りがない場所は60㎝前後、人が行き交う通路や廊下は120㎝前後を目安にスペースを確保しておくと安心です。
また、オフィスの廊下幅は建築基準法によって定められています。基準に則って設計・施工してもらえる業者に依頼するようにしましょう。
注意点⒉ 設置スペースの面積配分
1人につき約3坪のスペースが、事務所には必要とされています。
第二条 事業者は、労働者を常時就業させる室(以下「室」という。)の気積を、設備の占める容積及び床面から四メートルをこえる高さにある空間を除き、労働者一人について、十立方メートル以上としなければならない。
参照:事務所衛生基準規則 第二章 事務室の環境管理(第二条-第十二条)https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-2/hor1-2-36-2-0.htm
しかし事務所の広さによってはそれだけのスペースが確保できない、コストがかかってしまうなど問題も生じます。生産性とコスト効率を両立させるための工夫をしながら、設計・施工を進めていくことが大切です。
注意点⒊ 収納スペース
整理整頓された職場環境を保つことで、生産性の向上や職場環境における満足度に大きな影響を与えるため、余裕のある収納スペースをあらかじめ設けておくことが大切です。
近年はペーパーレス化が進み、保管スペースがそこまで必要ない業種も増えています。収納スペースによって事務所が圧迫されないように保管物を減らす工夫も進めながら、間取りを考えていきましょう。
注意点⒋ ゾーニングを決めておく
ゾーニングとは、事務作業をするスペース、打ち合わせをするスペース、ストック用のスペース、など配置を決めることです。
ゾーニングがなされることで動線がシンプルになり、社員のストレス軽減につながるだけでなく有事の際に避難しやすいなど危機管理面を強化することもできます。職場としての機能性を高めるためにも、ゾーニングをした上でデスクなどの配置を考えていきましょう。
注意点⒌ 感染対策をしておく
新型コロナウイルス感染症拡大後、事務所における感染対策も間取りを考える上では大切です。換気や温度に関しては前述した事務所衛生基準規則によって定められていますが、人と人とが頻繁に対面しないようなレイアウトにする、アクリル板や透明ビニールカーテンなどを仕事に支障がでないように設置する、なども考慮しながら間取りを考えていきましょう。
参考記事:オフィスレイアウトのパターンが効率・業績アップを左右する理由
成果に繋がる快適な事務所をつくるなら…
採用する間取りによって、事務所で働く社員は大きな影響を受けます。事務所の間取りをこれから見直す企業様は、生産性を高め、組織として成果を上げ続けるためにも、働きやすい快適な職場環境を整えていかれてはいかがでしょうか。
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