(株)秀建 編集部
インドアゴルフ経営のメリット|工夫すべきポイントも解説
一昔前はゴルフの練習といえばアウトドアゴルフ練習場が一般的でしたが、インドア型のゴルフ練習場も年々増えています。
インドアゴルフは物件探しや資金調達のハードルが低く、新規開業を検討しやすい業態です。
もちろんただ開業すれば成功するわけではなく、アウトドアゴルフとの違いやインドアゴルフ独自の魅力を理解しユーザーに訴求する必要があります。
今回はインドアゴルフ練習場について、経営のメリットや工夫すべきポイントを掘り下げて考えてみましょう。
コラムのポイント
・インドアゴルフとアウトドアゴルフはそれぞれにメリットがあります。
・経営を軌道に乗せるための施設・サービスの工夫を解説します。
インドアゴルフとはどんな業態
インドアゴルフとアウトドアゴルフの違い
まずはアウトドアゴルフとインドアゴルフの違いについて、ユーザーにどのようなメリットがあるのか考えてみましょう。
- 暑さ寒さの影響を受けず快適
- 人の目を気にせず練習しやすい
- 細かくデータを取って分析できる
- ゴルフを楽しむ仲間を見つけやすい
- 早朝・深夜も利用しやすい
上記のように、インドアゴルフはアウトドアゴルフにはないさまざまなメリットがあります。
屋内の快適な環境で人の目が気になりにくいインドアゴルフは、集中して練習に取り組める環境が整っています。
スイングやボールの速度・角度など細かくデータを取って分析できるのも、インドアゴルフならではの特徴です。
一方アウトドアゴルフには、実際に球を飛ばす爽快感や屋外ならではの気持ち良さなどの魅力もあります。
インドアゴルフで腕を磨いてからアウトドアゴルフ練習場やコースに行くなど、ゴルフライフの一部として使い分けすることも可能です。
ターゲット層
前述したようなメリットのあるインドアゴルフ練習場は、これからゴルフを始めようと思っている初心者の方と経験者の方、どちらも顧客になり得ます。
駅近くなどアクセスの良い場所に多いインドアゴルフ場は仕事帰りに立ち寄れるため、ゴルフに挑戦したい方が継続利用しやすいです。
アウトドアゴルフ練習場やコースではできないスイングの分析やレッスンも、上達を目指す経験者の方にとって魅力的なサービスです。
どのような方に向けた施設・サービスをつくるかはコンセプト次第ですが、両立させることも難しくありません。
インドアゴルフ経営のメリット
続いて、アウトドアゴルフと比較した場合のインドアゴルフ経営のメリットを見ていきましょう。
アウトドアゴルフより開業コストが安い
開業にかかるコストが安く、新規参入しやすいのはインドアゴルフ経営の大きなメリット。
一般的なアウトドアゴルフ練習場は、広い土地の確保や大規模な設備投資が必要になります。開業資金は億単位になることがほとんどです。一方インドアゴルフの場合、設備や内装工事を含めても数千万円に収まることが多いです。
イニシャルコストを抑えることで資金調達の難易度も低くなり、ローリスクで開業できるのは大きな魅力ポイントと言えるでしょう。
会員制で安定収益を作りやすい
インドアゴルフは基本的に会員制ビジネスであり、LTV(ライフタイムバリュー)が高く安定収益を作りやすいのもメリットです。
ビジター利用可能なインドアゴルフもありますが、基本的にはレッスンを受けて上達したい方がメイン顧客となります。
ゴルフは上達に時間がかかるスポーツです。立ち上げ時の集客とお客様が継続しやすい仕組み構築ができれば、長期利用が期待できます。
仕入れが無くランニングコストも安い
インドアゴルフはコンパクトな店舗と少ない設備で開業可能なため、アウトドアゴルフよりランニングコストも安く収まります。
大規模な照明や機械を動かす電気は必要ありませんし、定期メンテナンスにかかる費用も安くなります。
純粋なインドアゴルフ施設なら大きな仕入れも発生しないので、ローコストに運営でき在庫リスクが少ないのもメリット。
省人経営が可能
アウトドアゴルフ練習場ではフロント・清掃・ボール広いなど多くの人員が必要になりますが、インドアゴルフは少ないスタッフで運営できるのもメリットの一つ。
店舗の規模や打席数にもよりますが、店長一人で運営するのも難しいことではありません。
スタッフの採用や教育といった開業時の負担も減りますし、ランニングコストも安く抑えることが可能です。
物件が見つかりやすく選択肢が多い
省スペースで開業できるインドアゴルフ場はテナント物件を見つけやすく、開業エリアの選択肢が多いのもメリットと言えます。
アウトドアゴルフは広大な土地が必要になるため郊外エリアでないと難しく、物件を見つけるのも容易ではありません。また開発許可が必要になるなどハードルも高いです。
インドアゴルフの場合は打席数にもよりますが、30~40坪前後の広さの物件であれば検討の余地があります。
物件を見つけやすいため、住宅地に近いロードサイド、アクセスの良い駅前など、コンセプトやターゲットに合わせて開業エリアを選択することができます。
資格が不要
飲食サービスを提供しない純粋なインドアゴルフ施設は、スタッフの資格が不要な点も経営における大きなメリットです。
オーナーの方ご自身が資格を取得する必要がありませんし、運営にあたり有資格者が不要なのでスタッフの採用も容易です。
レッスンを行う場合は資格を持つプロコーチを採用するのが一般的ですが、必須というわけではありません。
インドアゴルフ運営事業者が工夫すべきポイント
前述したように開業ハードルが低いインドアゴルフですが、経営を軌道に乗せるためにはさまざまな工夫が必要となります。
インドアゴルフに向いている物件を選ぶ
前述したように物件の選択肢が多いインドアゴルフですが、建物の種類やレイアウトなど向き不向きはあります。
例えば複雑な形の部屋より、縦横比のバランスが取れた長方形の方が打席を配置しやすくなります。
また地下の物件は室温が安定しやすいため、冷暖房にかかる光熱費を抑えられるというメリットも。地下物件は視認性が悪いですが、インドアゴルフのメインターゲットは立ち寄り客ではないので大きな問題にはならないでしょう。
インドアゴルフのメイン客層である20~50代の方が多く住んでいるエリアを選ぶのも、物件探しの大切なポイント。
コミュニティをつくる仕組み
お客様にインドアゴルフを継続利用してもらうため、イベント開催などのコミュニティづくりの工夫も大切です。
合同勉強会・オフライン会食・ラウンドレッスンなどのイベントがあると、身近にゴルフをやる人が居なくても仲間を見つけやすくなります。
仲間がいればゴルフ練習に行くのも楽しくなりますし、会社や近所の人以外のコミュニティづくりは社会的意義も大きいです。
お客様がもっとゴルフを好きになってくれれば、上達意欲が出て結果的にレッスン継続にもつながりやすくなります。
本業をお持ちの方なら、会員限定の優待サービスで帰属意識を高め、売り上げ向上のシナジーをつくるといった工夫も。
予約を取りやすい環境づくり
お客様に継続して利用してもらうためには、スムーズに予約を取りやすい環境を整えることも大切です。
新規顧客を獲得できても、通いたいときに予約が取れないと継続してもらうのは難しいでしょう。
経営が軌道に乗ってきたら、打席数と予約状況のバランスを見ながら新規受付を調整することも必要になります。
オンライン予約などシステム面の整備、顧客数の管理で、利用しやすい環境を整備しましょう。
打席数の確保と安全性のバランス
収益に直結する打席数はなるべく多く確保したいところですが、安全性とのバランスを取ることも大切です。
室内でゴルフクラブを思いきり振るワケですから、スペースが狭いと思わぬ事故が発生する可能性があります。
天井高・打席の奥行きと幅・レイアウトなど、状況によって取るべき安全対策は変わります。
必ずインドアゴルフのノウハウがある施工店に相談し、収益と安全性のバランスを考えましょう。
レッスンプロの接客力を磨く
インドアゴルフの集客に欠かせないレッスンプロは、過去の実績や実力以上に接客力が必要です。
どんなに素晴らしい実績を残したプロゴルファーでも、教えるのがうまいとは限りません。
ゴルフとの付き合い方は人それぞれですが、趣味として続けたい方にとって学校や部活のような厳しい指導方法は継続するのが難しいです。
レッスンプロは人当たりや接客スキルも判断材料として、お客様が楽しくゴルフに取り組める人材を選びましょう。
まとめ
スポーツの中でもハードルが高い印象のゴルフですが、インドアゴルフは「始めてみたい」という潜在ニーズを掘り起こせる可能性のあるビジネスモデルです。
競技人口が増えればアウトドアゴルフ練習場やコースもにぎわい、ゴルフ業界全体の相乗効果を生むことができるかもしれません。
資金・物件のハードルも低めなので、「ゴルフに関わる仕事をしてみたい」という夢をお持ちの方は、ぜひ開業を検討してみてください。
私たち秀建は店舗内装のプロフェッショナルとして、インドアゴルフづくりをお手伝いしています。
施工はもちろん、インドアゴルフ専門のコンサルサービスのご紹介も可能ですので、物件探しや事業計画などなんでもお気軽にご相談ください。