(株)秀建 編集部
カフェ業界の動向と市場規模|2024年のトレンドとは
この記事では、カフェ業界の店舗数や売上高といったデータで市場動向をチェックし、ユーザーに支持されているトレンドの傾向を解説します。
近年は喫茶店やカフェのユーザーニーズが多様化しており、業態やコンセプトもさまざまです。トレンドの傾向をつかみ、SNSなどを販促にうまく取り入れているカフェは、人気を集めています。
一方、個人経営の昔ながらのカフェは店舗数を減らしている傾向があり、ただ開業すれば儲かるわけではありません。カフェ開業を成功させるためには、業界全体の動向やトレンドを正しく把握する必要があります。
今回はカフェ業界の動向や市場規模、開業にあったってのハードルや課題、2024年のトレンドの順に1つずつ解説していきます。カフェの新規開業をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。
コラムのポイント
- ・2024年のカフェ業界はコロナ過からの回復基調にあり、大きなビジネスチャンスが期待できる状況と言えます。
- ・カフェ業界全体の売上高や客単価は増加していますが、店舗数はほぼ横ばいの状況です。
- ・カフェ開業にあたってのハードルや解決すべき課題、トレンドの傾向をつかみ、確実に利益を上げられる店舗をつくりあげましょう。
カフェ業界の動向
まずは、カフェ業界全体の市場動向をつかんでおきましょう。
カフェ業界を含めた飲食業は、新型コロナウイルス流行の影響を受け2020年前後に売上高や店舗数が大きく減少しました。しかし、コロナ禍が明けた2022年以降は飲食業界全体が大きく回復しており、カフェ開業のチャンスがある状況です。
カフェ業界全体としては、店舗数を増やしているのは大手チェーンが中心で、個人経営の純喫茶は減少傾向にあります。しかし、働き方やライフスタイルの多様化を受けて喫茶店のニーズも変化しつつあり、さまざまなコンセプトのカフェが生まれています。
コーヒーの種類やクオリティに特化したり、動物とのふれあいやモノづくりなどの体験を提供したり、特定のユーザーを狙ったコンセプト型のカフェが人気を集めているのです。若者世代を中心にSNSが浸透したことで、写真映えするメニューや店内デザインの重要性も高まっています。
カフェ業界の市場規模
続いて、具体的なデータからカフェ業界の市場規模や今後の展望を推測してみましょう。
売上高・利用客数・客単価は大きく回復
2023年は飲食業界全体が回復基調にありますが、カフェや喫茶店はさらに大きな伸びを見せています。
カフェの前年比売上高は2020年に69%と大きく減少していますが、2021年以降は大きく回復しており、2023年は120.6%です。飲食業界全体より前年比売上高は伸びている傾向があり、大きなチャンスがありそうです。
利用客数も売上高同様、2021年以降は飲食業界全体よりカフェの方が伸び率は高くなっています。2020年の落ち込みが大きかった分、行動制限が解除されたことでカフェの利用率が高くなっていることが推測されます。
利用客数と共に、客単価が伸びているのも良い傾向と言えるでしょう。2023年は、レストランや居酒屋を含めた飲食業界の中でも、喫茶店の客単価が一番伸びています。前述したような特定のコンセプトに特化したカフェが増え、ユーザーニーズにマッチすることで客単価が増えているのかもしれません。
店舗数は横ばい
前年比店舗数は、外食産業全体が98.9%でわずかながら減少しているのに対し、カフェは100.2%とほぼ横ばいの状況です。さまざまなコンセプトのカフェが新たにできている一方、ほぼ同じ数の店舗が閉業している状況と言えます。
カフェ業界は大きなチャンスがあるものの、ただ開業すれば儲かるわけではないということです。
カフェ開業を確実に成功させるためには、ハードルや課題を正しく把握し、トレンドにマッチするコンセプトやビジネスモデルをつくり上げる必要がありそうです。
カフェ開業のハードルと課題
カフェ開業にあたって乗り越えるべきハードル、解決すべき課題についてもしっかり把握しておきましょう。
- 大手チェーン店の出店拡大による競争激化
- コンビニや自販機の低価格コーヒーとの競合
- 新しい生活スタイルの影響による利用客の減少
- コーヒー豆など原材料、光熱費の高騰
- キャッシュレス化の遅れ
- 人材の確保
参照:全国喫茶飲食生活衛生同業組合連合会 喫茶店営業の現況について
大手チェーン店の出店拡大やコンビニ・自販機コーヒーのクオリティ向上によって、個人経営の喫茶店は苦戦を強いられているようです。コーヒー豆をはじめとする食材、電気水道など光熱費の高騰も利益を圧迫する原因に。また、ライフスタイルが多様化したことで、昔ながらの喫茶店を利用する客が減っている傾向もあります。
これらの課題を鑑みると、ただコーヒーや食事を提供するだけのカフェでは、大手やコンビニのコストパフォーマンスに太刀打ちできない可能性が高いです。コンセプトを明確にし、ユーザーから選んでもらえるカフェをつくることが重要になるでしょう。多くの世代にSNSが普及した現代では、写真映えする店内空間やオリジナルメニューなども必須の取り組みです。
また、飲食業界全体の課題となっている働き手の不足も、カフェ開業の大きなハードルと言えます。キャッシュレス決済やモバイルオーダーなどに対応し、ユーザーの利便性と業務効率化を同時に高める必要があるでしょう。ユーザーにとって居心地が良い空間づくりは、スタッフが働きたいと思える環境にもつながり、人手不足解消にもつながるかもしれません。
2024年カフェ業界のトレンドは?
2024年に注目されている、カフェ業界のトレンド傾向をご紹介します。カフェのコンセプトを考えるときの参考にしてみてください。
無機質カフェ
おしゃれなライフスタイルを好むZ世代を中心に、コンクリートや金属でつくられた無機質カフェが人気を集めています。韓国が発祥なため「韓国カフェ」と呼ばれたり、「モノクロカフェ」と呼ばれることもあります。
ゆったりとお茶をするのではなく、SNSに投稿するための写真を撮影する「写活」のために利用するユーザーが多いようです。
専門店カフェ
特定のメニューに特化し、クオリティの高いコーヒーや飲食物を提供する専門店カフェも2024年のトレンド。
コーヒーだけでなく、紅茶や日本茶など、ほかのカフェでは味わえないメニューを用意し、競合と差別化するケースが多いようです。
飲食もカフェの定番メニューだけでなく、写真映えするオリジナルメニューがトレンド化しています。
高級カフェ
ラグジュアリーな空間やクオリティの高いコーヒーを提供する高級カフェも、店舗数を増やしています。
高級ブランドが店内をデザインし、イメージカラーを使ったコラボメニューを提供するカフェも登場しています。ほかのカフェでは味わえない高級感は、差別化になり、写真映えする店内やメニューも集客に効果的です。
動物カフェ
さまざまな動物と触れ合えるカフェもここ数年のトレンドで、動物好きのユーザーから根強い人気があります。定番の猫カフェや犬カフェだけでなく、小鳥や金魚などさまざまなバリエーションカフェにも派生しています。
体験型カフェ
お茶や食事と一緒にさまざまな体験ができるカフェも増えています。ものづくりができるワークショップ型のカフェや、絵本やアニメなどの世界観を体験できるカフェも。写経や僧侶との会話を楽しめる寺カフェのような新しい店舗も登場しています。
まとめ
2024年のカフェ業界は活況ですが、大手チェーンの出店拡大など注意すべき点もあります。カフェ開業を成功させるためには、トレンドを把握してコンセプトを明確にすることが不可欠です。オリジナリティの高い内装やメニューで競合と差別化し、ユーザーに選んでもらえるカフェをつくりましょう。
カフェのアイデアを形にするためには、施工技術が高く柔軟な対応ができる施工会社に相談することも大切です。
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