(株)秀建 編集部
クリニックの内装選びはビジネスの要|困った時のQ&A7選
どんなデザインにするか、どんな設備にするかなど迷うことも多いクリニックの内装。どんな内装にするのかによって患者様の定着率やリピート率は大きく変わり、クリニックというビジネスを軌道に乗せることができるかどうかにも結果として大きく関わってきます。
しかし内装が大切だとわかっていても、患者様の目線に立った内装決め、予算とすり合わせながらの内装決めは難しいもの。そこで今回は、クリニックの内装を決める上で多くの人がつまづくポイントと、困った時に参考にして頂きたいQ&Aについてまとめました。
コラムのポイント
・誰が利用するにも安心・安全でおしゃれな内装に仕上げることが、円滑なクリニック経営の大きな要となります。
・診療科目やコンセプト、地域によって適したクリニックの内装は異なります。ターゲットとしている患者様に、いつまでも安心して足を運んでもらえるようなおしゃれな内装を形にして、ビジネスを軌道に乗せていきましょう。
クリニックの内装はビジネスの要
クリニックの開業にあたって、もっとも費用がかかる内装費用。待合室のソファーや椅子はもちろんのこと、電子カルテやデジタルサイネージ、予約システムなど、必要な費用は多岐にわたります。内装を整えておくことで、
・業務の負担を軽減
・スムーズな診察、治療
・何度も足を運んでもらえるような場所の実現
につながります。
特に今は新型コロナウイルスの影響もあり、患者様同士の接触や距離、換気設備にも考慮した内装にすることが求められます。誰が利用するにも安心・安全でおしゃれな内装に仕上げることが、円滑なクリニック経営の大きな要となります。
内装決めで多くの人がつまずくポイント
クリニックの施工を進めていく際、予算や間取りなど様々な制限がつきまといます。内装を決めていく上で特に多くの人がつまづくポイントには、次のようなものが挙げられます。
待合室のレイアウト
・感染症対策のため、間隔を開けて座れる待合室にしたい
・患者さん同士、視線が合わないレイアウトにしたい
・子どもにウケのいいデザインにしたい
・スタッフや保護者の目が届くようなレイアウトにしたい
・気分が明るくなるような内装にしたい
・掃除しやすいソファーにしてほしい
待合室のレイアウトに関しては、多くの方が悩むところです。患者様に与える印象が特に大きいため、クリニックのコンセプトをしっかり反映させた上で内装を決めていくことが大切です。ターゲットとしている患者様層にはどんなデザインが好まれるのか、どんな色使いにすればリラックスして過ごしてもらうことができるのか、などをリサーチした上で決めていくと良いでしょう。
また、非接触や除菌も求められることを考慮して設備を整えていくのがおすすめです。
受付カウンター
・カルテの収納スペースが足りない
・カウンターの高さが合わず作業がしにくい
・カウンター下の収納が丸見えになっているのが気になる
使いやすい受付カウンターになっているかどうかで、スタッフの業務効率は大きく変わります。スムーズな作業ができるよう、動線を考慮した上でレイアウトを決めていきましょう。
受付カウンター内に常駐するスタッフに女性が多い場合、男性目線でつくったカウンターや収納、棚は使い勝手が悪く感じてしまうこともあります。働きやすい環境を整えるためにも、スタッフの意見にも必要に応じて耳を傾けながら決めていくと良いでしょう。
診察室
・できるだけ多く診察ベッド数を確保してほしい
・皮膚科系の形態だと診察室の壁が汚れやすいので、掃除しやすい素材にしたい
・診察室とは別にカウンセリングルームを設けたい
診療科目によって、診察室に求められる広さや機能は異なります。同伴者も一緒に入れるよう、なるべく広めのスペースを確保しましょう。また、会話が聞こえないように防音対策をする、衛生面を考慮して手入れをしやすい素材を選ぶ、など他の部屋とは異なる対策が必要です。
クリニックの内装は、『構造設備基準』を元に設計・施工を進めていきます。保健所のアドバイスも聞きながら進めていく必要もあるため、疑問や迷いが生じた時は施工業者に確認するようにしましょう。様々な条例や法律も関わってくることを考慮すると、知識や経験豊富な施工業者に頼った方がスムーズに内装工事を進めていくことができます。
クリニックの内装困った時のQ&A7選
内装のお困りごととして多くの意見が挙がりますが、特にここ最近挙がった内容に関しての解決方法をご提案させて頂きます。
question①
子どもも来院するクリニックなので、角のあるソファーやテーブルは避けたい。
Answer
クリニックの内装として使用できる設備の中には、角のない安全なものもたくさんあります。サイズやデザインなど、安全面に最大限配慮できる設備を選ぶと良いでしょう。
もしサイズや価格など希望するものがなければ、造作家具としてクリニックの雰囲気に合わせてつくることもできます。クリニックのデザインに合わせてつくることができるので、既製品よりもおすすめです。
question②
アクリルパネルをカウンターに設置したが、患者さんとのやりとりがうまくできない上、倒してしまう人もいる。
answer
置くタイプではなく、天井から吊るすアクリルパネル、下部が空いたアクリルパネルを採用すると良いでしょう。施工段階でアクリルパネルを吊るすことがわかっていれば、専用のフックをあらかじめ天井に取り付けておくことができます。
アクリルパネルがあることで、患者様は心理的な距離感を感じやすいもの。その心理的な障害を取り除いてあげることが大切です。
question③
間取りの関係上、全体的に手狭ではあるが通路や待合室のスペースはできるだけ広くとりたい。
answer
敷地を最大限活用できるように工夫した上で、狭さを感じることなくスムーズに行き来ができるように工夫することが大切です。例えば、開き戸ではなく引き戸を採用する方法があります。そうすることで、扉を開け閉めするためのスペースを確保する必要がなく、限られたスペースを有効に活用することができます。
question④
診察室内のモニターが、どうしても邪魔になる。
answer
必要な設備とはいえ、診察室が狭ければ邪魔に感じてしまうもの。そんな時は、モニターを壁付けタイプや天吊りタイプにしてスペースを確保することができます。患者様の目の高さに合わせて設置しておけば、モニターを使って症状を説明する時もスムーズです。
Question⑤
サーバーを棚の中に収納したいが、熱が籠るのが心配…。
answer
スペースが限られている受付カウンター内を広く使うためには、いかに不要なものを収納することができるかが重要です。サーバーの場合、棚の一部をメッシュにすれば、熱がこもるのを防ぐことができます。
カルテや備品といった物が増えやすい受付カウンター内は、事前にどれだけ収納スペースを整えられるかによって使い勝手の良さが変わります。
question⑥
予算の関係であまり大きなエレベーターにはできないが、ストレッチャーが入るエレベーターにしたい。
answer
自立歩行や車椅子での移動が困難な方には必要不可欠なストレッチャー。元々サイズが大きいため、小さなエレベーターでも使用できるのか不安に思う方も多いでしょう。この場合、エレベーターを奥開き仕様にすれば、少人数用のエレベーターでもストレッチャーを出し入れすることができます。
question⑦
手狭なトイレだが、患者様用トイレにベビーシートを設置したい。できれば保護者が立ったままで作業できるようにしたい。
answer
子ども向けの歯科クリニックや小児科では欠かせないベビーシート。設置するためにはある程度広さが必要ですが、スペースの都合上難しいことも多々あります。方法のひとつとして、トイレはタンクレストイレに、ベビーシートは壁収納型にすることで手狭なトイレでも設置することができます。スタイリッシュなデザインのタンクレストイレなら、トイレの狭さも気になりません。
おしゃれなクリニックの内装はお任せください!
診療科目やコンセプト、地域によって適したクリニックの内装は異なります。ターゲットとしている患者様に、いつまでも安心して足を運んでもらえるようなおしゃれな内装を形にして、ビジネスを軌道に乗せていきましょう。
これから手掛けようとしているクリニックはどんなクリニックにしたいのか、思い描いている理想をぜひお聞かせください。
株式会社 秀建は、内装工事全般だけでなく、外構から躯体までの建築工事や電気・空調換気・給排水・温浴などの設備工事も熟練プロが対応しています。クリニックも自社で一貫した施工が可能となっているため、「建築」と「内装」などの二分された連絡・調整・依頼ロス等がありません。
施工のプロフェッショナルだからこそ、オーナー様やテナント様のニーズに合わせた工事を進めていくことができます。クリニック建築における不安や疑問などはお気軽にお問い合わせください。