(株)秀建 編集部
美容クリニック内装のポイントと業者選び|開業に使える補助金制度も
国内の美容医療市場規模は年々増加しており、今後も拡張する見通しだと言われているそうです。
首都圏など需要が集中するエリアではクリニックの開院も増えているため、魅力的な内装で差別化することも大切になってくるかと思います。
今回は美容クリニックの内装づくりにおける基本的な考え方、施工業者選びで注目すべきポイントを解説します。
後半では開業に使える補助金制度も紹介しますので、ぜひ知識としてご活用下さい。
コラムのポイント
・美容クリニック内装の基本的な考え方を解説します。
・理想の美容クリニックを作るために必要な内装業者の選び方を覚えておきましょう。
美容クリニック内装のポイント
競合との差別化
開業エリアの競合と差別化するにあたり、コンセプトを直感的に伝えることが内装の重要な役割です。内装はパンフレットやホームページにも掲載しますから、顧客がクリニックを選ぶ判断材料にもなります。
気軽に入りやすいフランクな雰囲気、大人の女性を対象にした清潔感・安心感などのコンセプトを内装に反映すれば、共感するユーザーに選んでもらいやすくなります。
オーナー様が顧客に伝えたい美のイメージやクリニックの明確なコンセプトを、内装で表現することを考えてみてください。
リラックスできる雰囲気
初めて美容クリニックを訪れるお客様は緊張している可能性が高く、リラックスできる雰囲気を内装でつくることも大切です。
落ち着く空間で過ごしていただくことはお客様との関係構築にもつながり、結果的に満足度やリピート率のアップにも影響します。
どのような雰囲気・テイストに仕上げる場合でも、お客様をおもてなしできる空間づくりをベースにしましょう。
プライバシーの保護
一昔前より美容クリニックは身近なイメージになりましたが、やはり相談内容をほかの人に聞かれたくないと感じる方は多いようです。
施術中はもちろん、待合スペースやヒアリングスペースのプライバシー性にもこだわる事が必要となります。
施設の面積によっては完全個室が難しいケースもありますが、パーテーションなどを使って目線や存在感を遮る工夫が可能です。圧迫感・閉塞感が出てしまうこともあるため、照明やカラー選びで開放感をキープします。
制約の少ない物件を選ぶ
ここまで上げた内装づくりのポイントをクリアするためには、開業にあたっての物件選びも重要なポイントとなります。開業にあたっては賃料・アクセス・競合との位置関係なども重要ですが、内装の制約が少ない物件を選ぶことも大切です。
テナント開業の場合はビルの構造や独自ルールの制約があり、思うようなレイアウト・デザインを実現できないことも少なくありません。
できれば契約をする前に私たち内装業者と物件を内見して、思い描く内装デザインを実現できるかチェックするのが良いでしょう。
私たち秀建では開業前の物件チェックもお手伝いしていますので、お気軽にご相談ください。
美容クリニックの内装業者選び
要望をくみ取り形にする力
美容クリニックの施工会社選びではまず、ヒアリング力やイメージの共有力・理解力がある事が大切です。
どんなに素晴らしいイメージがあっても、それを形として表現するためには、材質や方法・技術などの知識を豊富に持っていないといけません。
現代はCGパースなどの便利なツールもたくさんありますが、それでも人から人へイメージを伝えるのは難しいことです。
事業者さまや設計者さまからの要望を具体的な形に応える力も、施工会社に必要なスキルの一部です。
クオリティを犠牲にせずコストダウンするノウハウ
どの業種の施工会社選びにも共通することですが、デザイン・品質・価格のバランスも重要なポイントです。
デザインが素晴らしくても費用が掛かりすぎては実現できませんし、コストダウンでクオリティが下がっても本末転倒です。
デザインや仕上がりのクオリティには妥協せず、工法の工夫や作業の効率化でコストダウンするノウハウが重要になります。
品質を落とさずコストダウンするためには、施工に関する技術・知識を網羅した施工会社が見積もりや工程を精査・監理する必要があります。
施工実績
実際に美容クリニックを施工した実績がある業者を選ぶのはもちろんですが、バリエーションにも注目してみてください。
似たようなクリニックばかりではなくオリジナリティの高い施工事例がある業者は、オーナー様の想いを形にする対応力が期待できるということ。
逆に似たような施工事例が多い会社は、得意なテイストや工法が限られてしまう可能性がありますが、より専門性の高い提供力があるか、機動力が不足しているかのどちらかです。
事例の数だけを重視せず、内容のバリエーションやクオリティもチェックしてみましょう。
ワンストップ体制
クリニックづくりに関する工事をまとめて任せられるワンストップ体制も、施工業者の選びで重視したいポイントです。
クリニック施工では建築と内装工事・電気・空調・給排水・防火などの設備や家具・サインといったの幅広い工事が必要になります。
これらの工事が分離発注になると、オーナー様が自ら業者間の調整を行う事になります。
開業に向けて忙しい中で時間を取られるのは大きな負担になりますし、トラブルがあれば工事の遅れにもつながります。
なるべく一つの窓口で完結できる施工会社を選ぶ事が肝肝要です自社施工体制の業者なら施工監理が行き届いて品質向上も期待できますし、最近は納期の確保にも効果があり、コストダウンにもつながります。
美容クリニック開業に使える補助金・助成金
クリニックの開業では、国や自治体の補助金・助成金制度を使えることもあるので必ず確認しましょう。
上手に活用できれば、開業資金の負担を軽減することができます。
自治体の創造・起業補助金
県や市町村が運用している創業・起業向けの補助金制度は、美容クリニックの開業に使えるケースがあります。
例えば東京都の場合、創業助成金で対象経費の2/3、上限300万円の助成制度があります。東京都内で開業予定で経営経験が5年未満の個人・中小企業が対象です。
参照:(東京都中小企業振興公社)
同じように開業時に申請できる補助金・助成金制度は各市町村にあるため、開院予定エリアの自治体を調べてみるのがおすすめです。
トライアル雇用助成金
クリニック開院時はスタッフの雇用も大きな費用負担となります。トライアル雇用助成金は、ハローワークを通じて一定の条件を満たした人材を雇用すると、月4万円の助成を受けられる制度です。助成期間は最大3か月間なので、3ヶ月の試用期間で最大12万円が支給されます。
「出産や育児で1年以上離職中」という条件もあるため、女性スタッフ中心の美容クリニックの求人にも活用しやすいですね。
参照:(厚生労働省 トライアル雇用助成金)
事業承継・引継ぎ補助金
中小企業庁が運営する事業継承・引継ぎ補助金は、個人開業医が経営するクリニックの継承が対象になります。
最近は後継者不在などを理由にクリニックの廃業も増えているため、M&Aによる事業継承を行うのも一つの手です。
補助率は1/2~2/3、上限は225~600万円と、引継ぎ方法によって変わります。
参照(中小企業庁 事業継承・引継ぎ補助金)
こちらのコラムでは美容クリニック開業時に活用できる融資制度も紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
まとめ
美をサポートする美容クリニックでは、お客様がリラックスできる素敵な環境づくりが重要です。
デザインや施工を依頼する業者選びも仕上がりに大きく影響しますので、今回ご紹介したポイントに注目して信頼できる会社を探しましょう。
私たち秀建は店舗内装のプロフェッショナルとして、多くのクリニックづくりをサポートしてきました。
内装工事のお見積もりから施工はもちろん、設計会社のご紹介やお手伝い、概算の提出、物件探しなど、クリニック開業のことならなんでもお気軽にお問い合わせください。