(株)秀建 編集部
クリニック内装の費用・坪単価相場は?格安内装工事のリスクと失敗しないコストダウンのポイント
クリニックの開業にあたり、内装工事の費用がどれくらいかかるのか気になる方は多いのではないでしょうか?開業にあたってはさまざまな費用がかかりますから、なるべくコストを削減したいところですよね。
建物の取得費やテナント料は物件情報を見ればある程度相場が分かりますが、クリニックの内装費用は実際に見積もりをしないと分かりません。またインターネットで費用相場や坪単価を検索しても、金額はかなり幅広く実態をつかむのが難しいです。
そこで今回は、クリニックの内装工事費用相場の基礎知識から、格安工事のリスク、クオリティを下げないコストダウンのポイントなどを詳しく解説します。一社への特命・入札など、どのような発注方法が良いのかも紹介します。
コラムのポイント
- クリニックの内装工事の現実的な坪単価は70万円~が目安です。
- 格安内装工事は追加費用が発生するリスクがあり、表面的な金額だけで選ぶのは危険です。
- 開業物件・施工業者を上手に選び、上手にコストダウンする方法をチェックしましょう。
クリニック内装工事の費用相場は?
入居するテナント物件やグレードにもよりますが、一般的なクリニックの内装工事の費用相場は坪単価70万円が目安です。
しかし、インターネットで調べると、坪単価50万円前後の格安内装工事業者も多数見つかります。また、相場については、坪単価30~40万円と言及しているサイトも多数見受けられます。これだけ坪単価の開きがあると、相場を予測するのは難しいですよね。仮に20坪のクリニックの内装工事費用を坪単価で考えた場合、600~1,400万円もの差が出ることになります。
内装工事に適した物件選び、コストパフォーマンスが高い建材や工事など、好条件が重なれば相場より安く抑えられる可能性はあります。しかし、明らかに相場とかけ離れている格安工事を安易に選ぶのはあまりおすすめできません。格安内装工事のリスクについて、次の章で詳しく見ていきましょう。
クリニックの格安内装工事のリスクは?
相場より安い格安の内装工事は、あくまで目安であり、実際に見積もり・工事の段階になると追加費用が発生する可能性が考えられます。
例えば、既存内装の解体・配管工事・諸経費などが別途工事になっていて、追加費用を計算すると結局相場通りの費用になるケースも。居抜き物件やスケルトン物件など、条件が良ければ表示されている坪単価で工事できる可能性はあります。しかし、ほとんどのクリニック内装工事では、現場ごとの対応が必要になります。最低限の工事内容しか含まれていない格安内装工事では、追加費用なしで完成するのは難しいでしょう。
表面的な坪単価・標準価格だけで内装施工会社を決めると、追加費用による予算オーバーのリスクが高くなります。相見積もりで複数の内装施工会社を比較する際は、単純な金額だけでなく、見積もりの内容までしっかりチェックする必要があります。
クリニック内装費用のコストダウンのポイント
クリニック開業計画ではいろいろなコストを切り詰める必要もありますが、クオリティとのバランスも重要になります。
デザイン性や仕上がりを犠牲にせず、コストダウンするためのポイントを覚えてきましょう。
クリニック開業に適した物件を選ぶ
開業する物件選びによって、クリニックの内装工事にかかる費用は変動します。クリニック向きの物件を選べば、ムダな出費を減らしてクオリティを犠牲にすることなくコストダウンできます。
建物の構造やテナントオーナーの意向による建築制限が多い物件は、ムダな工事が発生しコストが増加します。消費電力の大きい機器を使う場合、ビル自体の電気容量が少ないと、余計な費用がかかるケースも。これから物件選定をする場合は、クリニックの内装工事に詳しい専門家に同行してもらい、開業に適した物件を見極めるのがおすすめです。
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初期段階でなるべく正確な概算費用を把握する
コストパフォーマンスが高いクリニック内装工事をするためには、なるべく早い段階で正確な概算費用を把握することも大切です。
必要な工事が含まれていない坪単価を参考にして資金計画を立てると、後に追加費用がどんどん発生してコストダウンどころではなくなってしまいます。逆に、物件の下見や資金調達の段階で正確な概算費用を把握していれば、そこからコストダウンしていくことも可能になるのです。
正確な概算を把握するためには、クリニック内装工事の実績が豊富な施工会社に相談することが大切です。前述したクリニック開業に適した物件選びにもつながりますので、早めに施工会社を探して相談しておきましょう。
クリニック内装費用は特命・入札どちらが安い?
クリニック内装のような民間工事でも、一社への特命発注だけでなく複数の会社を比較検討する入札を開催することができます。
特命:あらかじめ一社に見積もりを依頼し、契約~施工と進めていく方法
入札:同じ条件で複数の会社に見積もりを依頼し、金額を比較して発注先を決める方法
特命と入札はそれぞれメリット・デメリットがあり、どちらが安くなるかはクリニックの規模や開業する地域などさまざまな要素で変わります。
複数の見積もりを比較できる入札は、金額面では有利なイメージがありますよね。実際に入札は見積もり金額の妥当性を判断しやすく、競争環境をつくることでコストダウン効果も期待できます。
ただし、入札を開催するまでには手間と時間がかかるため、コストダウン効果を上回る経費がかかってしまうケースもあります。設計事務所に依頼して詳細な図面を用意し、会場を用意して説明会を開き、見積もりが出そろうまで数か月単位の時間が必要です。人件費や設計料はもちろん、その間に発生するテナント物件の賃料など、入札にはさまざまな諸経費がかかるのです。
特命の場合はこのような手間と費用が発生せず、一社と集中して内容を煮詰めていくことができます。信頼できる施工会社を知っていれば、特命でコストダウンしていくメリットは大きいでしょう。ただし、入札のように複数の見積もりを比較検討できないため、工事金額の妥当性は判断できません。相場より高い施工会社だと、特命発注の方が高くつく可能性もあります。
このように、特命と入札どちらがコストダウンに有利かは状況によって変わります。できれば、特命・入札どちらにも詳しい専門家に相談し、アドバイスをもらうのが望ましいです。
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クリニック内装工事の相談は、店舗・施設づくりのプロフェッショナル秀建へ
ここまで見てきたように、クリニックの内装工事では価格とクオリティのバランス、物件選びなどさまざまなことに配慮する必要があります。もし内装工事のことでお悩みでしたら、店舗・施設づくりのプロフェッショナル秀建にご相談ください。
さまざまな医療施設・クリニックづくりをお手伝いした実績がございますので、どのようなご要望にもお応え可能です。また、物件選びのサポートや概算費用など、クリニックづくりのことならなんでもサポートいたします。まずはお気軽にお声掛けください。