(株)秀建 編集部
ログハウス建築費用を用途別に解説|本体価格以外にかかる費用の内訳もチェック
この記事ではログハウスの建築費用の内訳、住宅・店舗などパターン別の費用相場を解説します。
ログハウスは一般的な木造建築より事例・情報量ともに少ないため、「結局いくらで建てられるの?」とギモンを抱える方が少なくありません。
そこで今回は、ログハウス建築に必要となる工事内容を把握し、実際の広さや用途別に費用相場を考えてみましょう。
後半ではログハウス建築費用を抑えるための取り組み方も紹介します。
コラムのポイント
・ログハウスは広さ・用途によって必要な設備と工事が異なり、費用相場も変化します。
・一般の木造建築よりログハウスはDIY難易度が低く、費用を抑えるチャンスがあります。
ログハウス建築費用の内訳
まずはログハウス建築費用の具体的な内訳をチェックしましょう。どんな工事が必要になるのか把握しておけば、見積もりチェック時に役立ちます。
ログハウス本体価格
ログハウス本体はハンドカット・マシンカットの二種類があり、特徴や価格が異なります。
現在流通しているログハウスは工場で材料を加工するマシンカットが主流で、後述する基礎工事・組み立て工事を含めて1坪あたり50~70万円が費用相場です。
ハンドカットログハウスは、切り出した丸太を手作業で加工するため少し価格が上がり、1坪あたり100万円以上になるケースが多いです。
基礎工事
ログハウスを乗せる基礎は、一般住宅と同じような「ベタ基礎」を鉄筋コンクリートでつくるのが一般的です。ただしコンパクトなミニログなら、コンクリート平板や束石などを使って基礎工事のコストダウンをすることも可能です。
ベタ基礎の場合は正確な計測と作業、大量のコンクリートが必要になるため、基本的にはプロに任せるべき領域となります。
ログハウス施工費
ログハウスの本体組み立ては、床面積や重機使用の有無などで多少費用が変動します。詳しくは後述しますが、一般的な木造建築と比べると難易度は低めなので、DIYでコストダウンに挑戦する方も多いです。
電気・水道・ガス工事
ログハウス内にライフラインが必要な場合は、電気・水道・ガスの引き込みと配線工事費用が発生します。これらの工事は有資格者でないと行えないため、必ずプロに依頼すべき領域です。
敷地内のどこまで配管が来ているかによって引き込みの距離が変わり、工事費用も変動します。
確認申請費用
ログハウスも一般的な建物と同じように建築物とみなされるため、原則的に建築確認申請が必要となります。
ログハウスの確認申請は構造計算が必須になるため、建築士に費用を支払って依頼するのが一般的です。確認申請費用はログハウスの規模や依頼する建築士によって変動します。
パターン別ログハウス建築費用相場
続いて、ログハウスの用途別に具体的な建築費用相場をチェックしていきましょう。
一般住宅 1,500~2,000万円+設備
30坪前後の一般住宅としてログハウスを建てる場合、基礎工事+本体価格+施工費で1,500~2,100万円が相場となります。一般住宅として暮らすためには、さらに電気配線・水回り設備・給湯器やガス工事などが必要です。
選ぶ設備のグレードなどで変動しますが、一般的な木造住宅の費用相場と大きく変わることはないでしょう。
飲食店 500~1,000万円+設備
オリジナリティの高い外観とリラックスできるログハウスの内装は、レストランやカフェなどの飲食店にもピッタリです。
仮に15席のカフェをつくる場合、必要な床面積目安は10坪でログハウスの建築費用は500~700万円となります。レストランの場合はもう少し厨房が広くなるので、同じ15席規模でも床面積は13坪で建築費用は650~910万円となります。
飲食店は業種によって必要となる設備とインフラ整備が必要です。しかしログハウスの場合内装はそのままでも十分魅力的なので、余計なコストを掛けずにおしゃれな飲食店をつくれるでしょう♪
宿泊施設のロッジ 750~2,100万円
最近はアウトドア人気を背景に、ホテルや旅館の敷地内にログハウスのロッジをつくる事例も増えています。
仮にツインベッドの30㎡ロッジをつくる場合、ログハウス本体の建築費用は750~1,000万円。お風呂やトイレは本館の設備を利用するスタイルなら、ベッドやインテリアを整えるだけで営業できます。
キッチンやユニットバスも備え、4人前後まで対応できるコテージ仕様の場合、60㎡前後で1,500~2,100万円+設備費用が目安となります。
サウナ小屋 200~300万円
近年大きなブームとなっているサウナを、小さなログハウスで自宅や宿泊施設の中につくるケースも増えてきています。
サウナ小屋は床面積が小さいため坪単価ではなく、4人用の広さで200万円前後が費用目安となります。着替えのための前室をつける場合は、300万円前後が目安です。
ここにストーブ・水風呂の費用がかかりますが、つくり方によってかなり価格が変動します。
サウナ建築費用についてはこちらのコラムで詳しく解説しています。
〈関連コラム〉
ログハウスに確認申請は必要?
小さなログハウスキットをご自身で組み立てる場合は、確認申請が必要になるのか気になる方が多いようです。
結論からお伝えすると、どのようなログハウスをつくる場合も、自治体の建築指導課などに事前相談するのが確実です。
10㎡以下の小さなログハウスを敷地内に建てる場合、確認申請は不要なケースが多いと言われています。しかし自治体によって判断が異なることもあるため、事前確認するのがおすすめです。ちなみに確認申請が必要な場合、ログハウスは構造計算が必須となります。
また地域の条例や防火地域などの法規制によっては、ログハウスの建築自体が認められていないケースも。自己判断でログハウスを建てると違法建築になってしまう可能性も考えられます。
費用を抑えてログハウスをつくる方法
ログハウス本体をDIYで建てる
ログハウスは丸太や角材の「ログ」を組み合わせる単純な構造なので、DIYで施工費用を抑えるのも一つの選択肢です。
一般的な木造建築をDIYするのは現実的ではありませんが、ログハウスなら難易度が低いので挑戦しやすいです。現在は工場の機械でログ材を加工する「マシンカットログハウス」が主流で、現場での細かい作業は必要ありません。
電気・水道・ガスなど資格が必要な作業はプロに任せるとしても、本体の組み立てを自分でやるだけでも節約効果はあるはずです。コンパクトなミニログなら束石を並べて、基礎工事から自分でつくる方法もあります。
棚や内装をDIYする
時間や手間の関係で本体のDIYが難しいなら、本体だけプロに建ててもらい、棚や内装などを自分でつくるのもおすすめです。
ログハウスの壁は全面無垢材でどこにでもビスが効くため、棚板などのDIY造作難易度は低いです。またログハウスは自然素材によるラフな雰囲気も魅力ポイントなので、プロの大工のような精密さもそれほど重要になりません。
内装・造作の人工が無くなるだけでも費用節約になりますので、できる範囲でDIYも検討してみてください。
ログハウスの品質を下げる方法はNG
一口にログハウスと言っても価格帯はさまざまで、今回解説した坪単価より安い製品も多数存在します。しかし、極端に安いログハウスを選ぶのはあまりおすすめできません。
ログハウスの外部は雨風にさらされるため、単純に木の品質を下げると劣化が早くなり、腐食するリスクなどが高まります。塗装のサイクルが増えたり、補修が必要になったりすると、かえって高くついてしまう可能性もあります。
日本の風土に合った木材を使い、自社工場でログ材を加工するなど、耐久性の高いログハウスを選ぶのが、結果的にコスト削減につながります。
まとめ
ログハウスは建物の大きさや用途によって本体価格や必要な工事が変わりますが、一般的な木造建築と費用相場は大きく変わりません。
ログハウスは住宅としての魅力はもちろん、店舗や宿泊施設でも大きな強みがありますので、ぜひ一つの選択肢として検討してみてください。
私たち秀建は店舗・商業施設づくりのプロフェッショナルとして、ログハウス建築もお手伝いしています。
飲食・小売・サウナなど幅広い業界の店舗づくりをお手伝いした実績がございますので、どんなご相談もお気軽にお声掛けください。